釣ったサバからアニサキス「ううっ、気持ち悪い」 調理続行で“締める”も残った白い線
飲食店で魚を食べたり、自宅で調理したりすることを楽しむ中で、厄介な存在がいる。寄生虫のアニサキスだ。食中毒にかかると激しい腹痛に見舞われることで知られ、著名人の食中毒被害や、スーパー店舗の魚パック商品に入っていたことを報告するSNS投稿がニュースになることもある。今回、ENCOUNT編集部記者が、自ら釣ったサバを調理中に、アニサキスの幼虫とみられる生命体を発見した。「これがアニサキス、やっぱりいたのか……」。釣り愛好家ながらも一瞬たじろいだが、そのまま調理してみた。
食中毒にかかると激しい腹痛に見舞われることで知られる
飲食店で魚を食べたり、自宅で調理したりすることを楽しむ中で、厄介な存在がいる。寄生虫のアニサキスだ。食中毒にかかると激しい腹痛に見舞われることで知られ、著名人の食中毒被害や、スーパー店舗の魚パック商品に入っていたことを報告するSNS投稿がニュースになることもある。今回、ENCOUNT編集部記者が、自ら釣ったサバを調理中に、アニサキスの幼虫とみられる生命体を発見した。「これがアニサキス、やっぱりいたのか……」。釣り愛好家ながらも一瞬たじろいだが、そのまま調理してみた。
近年注目されることの多いアニサキス。厚生労働省の公式サイトなどによると、アニサキスの幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類の主に内臓表面に寄生。宿主の魚介類が死んで時間が経過すると、内臓から筋肉に移動するという。「アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍または加熱のものを含みます)で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします」と説明している。
予防策として魚を購入する際に、新鮮な魚を選ぶこと、速やかに内臓を取り除くこと、内臓を生で食べないことなどが挙げられる。調理する場合は、目視確認による幼虫の除去に加えて、「マイナス20度で24時間以上冷凍」「70度以上、または60度なら1分の加熱」といった方法が紹介されている。
今回、東京湾に繰り出してマサバが釣果に上がった。せっかく新鮮でいいサイズを手に入れることができたので、25センチ超の2匹を使って「締めさば」を作ってみることにした。
釣ってすぐに血抜きをしており、家に帰って早めに内臓をとった。釣行で疲れてしまったため、ひと晩冷蔵。翌日夕方に三枚におろして、注意深く見てみると、約1センチほどの白い線のようなものが。筋肉などの筋ではなさそうだ。包丁ですくってみると、うねうねと動き出した。「ううっ、気持ち悪い。やっぱりいたのか」。それなりの恐怖感を覚え、さすがに声が出てしまった。
サバはぷりぷり肉厚の身で、外身は滑らかに輝き、独特な背中の模様が食欲を誘う。ひるむことなく、安全を考慮しながら注意を払い、レシピ本などを参考にして調理を進めた。
魚介料理店の店主から、大量の塩をまぶしてしっかり締めるのがいいと教えてもらった。これでもかと塩に埋めて、1時間20分ほど置いた。できるだけレア感を出したかったので、酢に漬けるのは20分程度にした。本格的な調理は初めてだったが、お酒に合う締めさばが完成した。
締めた後に小骨を抜く段階ではアニサキスは見当たらなかったが、食べる時になって1つだけ白い線状のものが見つかった。死んだアニサキスの幼虫だったのかもしれない。実食の際はよくかんで、自分で釣った魚を食べる極上の楽しみも味わった。体調に異常はなく、健康に過ごしている。
アニサキスや寄生虫をむやみに怖がって「魚は食べない」となってしまうことは避けたい。魚文化の豊かさ、食文化の奥深さは、日本ならではのたしなみでもある。だが、生き物を食べる以上、寄生虫のリスクは確かに存在することを改めて知った。
アニサキス対策の調理法は、公的機関や専門機関から発信されている。正確な情報を把握しておけば、魚に接することがもっと楽しめそうだ。