芸能界から会社員へ 33歳で人材紹介会社社員に転身した元グラビアアイドルのリアル

このところ、不祥事などで芸能界を退くとYouTuberに転身する例をよく目にするが、知名度やそれまでのキャリアを考えれば自然な成り行き。ところが、一般人に戻って企業に就職する人もいる。グラビアアイドルとして活動していた古崎瞳さん(34)もそんな1人。芸能界を離れてまだ1年弱だが、会社員になった今、13年間のグラビアアイドル時代を振り返って思うところを聞いた。

夢破れても「楽しかった」と語るたくましい古崎瞳さん【写真:山口比佐夫】
夢破れても「楽しかった」と語るたくましい古崎瞳さん【写真:山口比佐夫】

主演映画上映、地元舞台挨拶で満足し引退決意

 このところ、不祥事などで芸能界を退くとYouTuberに転身する例をよく目にするが、知名度やそれまでのキャリアを考えれば自然な成り行き。ところが、一般人に戻って企業に就職する人もいる。グラビアアイドルとして活動していた古崎瞳さん(34)もそんな1人。芸能界を離れてまだ1年弱だが、会社員になった今、13年間のグラビアアイドル時代を振り返って思うところを聞いた。

 去年の8月に、10年間お世話になった芸能事務所を退所し引退しました。踏ん切りがついたきっかけのひとつは、2018年9月に主演映画「夏引きの頃」が南青山映画祭で上演されたこと。たった1日の上演でしたけど、その4年前に撮影したままお蔵入りしそうだったので、ようやく日の目を見て心残りが無くなりました。

 18年12月には出演映画「ガチ★星」が出身地・広島で上演され、家族の前で舞台挨拶できたことも大きかったです。20歳で上京して「有名になるんだ!」とがんばってきて、「解決!ナイナイアンサー」「有吉ゼミ」(日本テレビ)などのゴールデンタイムの番組にも出演できました。願ったようには有名になれませんでしたが、満足しました。

ギャラが1本80万円から15万円に落ちて芸能界の厳しさ実感

 引退を考えたのは、収入面で安定しなかったから。デビュー当初は給料制で、月8万円をいただいていたんですけど、家賃7万円のワンルームマンションに住んでいたので、生活は厳しかったですね。出来高制にしてもらってからも、月30万円弱の収入がある月もあれば、2万円しかない月もあって、上下が激しかったんです。さらに、デビューして初めて出したDVDのギャラは80万円だったのに、去年、出したのは15万円。年齢とともに需要が減るのをまざまざと感じました。

 当然、ずっとアルバイトをしていました。飲食が多かったです。六本木ヒルズの中のイタリアンとか新宿の「バーガーキング」とか。時給1000~1100円で、朝6時から昼12時までのシフトを組んでもらっていました。午前中ならオーディションが急に入って、アルバイトを急に休むことはあまりないので。あと、映像制作会社で風俗の紹介サイトの体験動画編集を3年ぐらいやっていました。1本編集して1万5000円。1本の編集に何日もかかることがあったので、割が良いとはいえませんでしたね。

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