コロナで7億円損失、苦境のRIZIN 覚悟の資金調達に隠された真の目的とは
RIZINの榊原信行CEOが7日、ウェブ上で会見を開き、「RIZIN.22」「23」の開催を発表した。
8月に新設ぴあアリーナで2days開催
RIZINの榊原信行CEOが7日、ウェブ上で会見を開き、「RIZIN.22」「23」の開催を発表した。
開催日は8月9、10日の2日間。場所は横浜みなとみらいにこの度、新設されたぴあアリーナMM。音楽イベント用に開設された会場のこけら落としを、他のイベントに先駆けてRIZINが実施することになる。
これに関して榊原CEOは「新しいチャレンジです。僕らのRIZINのスケール感は大会場で大観衆のみんなとともにつくり出すもの。スタジオマッチでは話にならない。どっちみちチャレンジするなら新しい未来をつくりたい。そのリスクを取って2Days開催することとします」と覚悟を決めた。
注目の対戦カードは公表されず、9日に第1弾の主要カードが発表される予定。それでもコロナ禍のため外国人選手の就労ビザが下りず、両日ともにオール日本人対決になるという。また、現時点では行政の要請する上限人数の5千人を集客する方向ではあるが、この後の状況により、最悪は「腹をくくって無観客で」(榊原CEO)の開催も視野に入れた調整を行っていくことも公にされた。
そして興味深いのは、両大会の開催発表に合わせ、今後のRIZINの活動継続を目的にした支援金募集のためのクラウドファンディング(クラファン)を立ち上げたことだろう(#RIZIN活動継続クラファン)。
クラファンといえば、昨今のコロナ禍にあって非常に日常的な活字として、あちこちで目にするようになった。
プロレス界や格闘技界でもいくつかの団体や選手がこれを使って資金を集めているが、遅ればせながらRIZINもこの輪に加わった。
実際、今回特別に開設された専用サイトを確認すると、目標金額は5千万円と、かなり大がかりなクラファンになっている。それだけ追い込まれている証明だと思っていいだろう。
専用サイトには榊原CEOによる長文のメッセージに加え、「個人向け」と「法人向け」で寄付を募る形式の記載がある。1つずつ見ていくと、感謝状やスマホ用の壁紙などが届く5千円のコースから、RIZIN旗揚げ当時に製作された幻のベルト2千万円まで幅広い金額のコースがあり、いずれもRIZINを様々なカタチで金銭的に支援できるような立て付けになっている。
思えば榊原CEOがクラファンの話を最初に口にしたのが4月2日に実施した「RIZIN.22」(当初は4月19日に横浜アリーナで開催予定だった)の中止を公にした会見の席上。そこからなかなか公にはならなかったものの、日本全国の会場を探しながら、どうにかコロナ禍でも大会を開催できる方法はないかと試行錯誤を続け、何度もクラファンの文言を考えては改めてきた結果、実は3か月以上かかってようやく陽の目を見たのが今回の会見だった。
榊原CEOは会見で、2007年4月にPRIDEの権利を手放し、15年にRIZINを立ち上げるまでの葛藤を吐露。さらには「(15年にRIZINを)始めることは簡単と言えば簡単。これを続けて継続し、できれば僕の次の世代、そしてその次の世代まで続いていくものにするには、RIZINを愛してくれている皆さん、そしてリングで闘って生き様を見せてくれる、人生をかけて闘ってくれる選手たち、それに加え新しい選手やファンの力があって、RIZINという生き物は次の時代につながっていく」と発言。
そのためにも現在、存続危機にあるRIZINに関して、活動を継続していくための資金提供を訴えた。
ちなみに現段階では選手の代表として自身の声を寄せているのは朝倉未来と弟の海の2人(この後、他の選手のコメントも随時掲載していく予定だとか)。まずは弟の海のコメントから。