波乃久里子、渡辺えりは「本当にいい友達」 弟・十八代目中村勘三郎に感謝

俳優の波乃久里子が15日、都内で行われた「初夏の新派祭」取材会に渡辺えりと共に出席し「本当にいい友達させていただいています」と感謝を述べていた。

取材会に出席した波乃久里子【写真:ENCOUNT編集部】
取材会に出席した波乃久里子【写真:ENCOUNT編集部】

「弟から借りていい友達にさせていただいた」

 俳優の波乃久里子が15日、都内で行われた「初夏の新派祭」取材会に渡辺えりと共に出席し「本当にいい友達させていただいています」と感謝を述べていた。

「初夏の新派祭」では、初夏に相応しい新派の作品で、花柳十種にも選定されている久保田万太郎作の『螢(ほたる)』、お辻とおゆうが繰り広げる心温まる笑いあり涙ありの人情物語『喜劇 お江戸みやげ』の2作品を上演。

 波乃は『喜劇 お江戸みやげ』で、結城から呉服の行商に来ていた大らかな性格のおゆうを、渡辺はおゆうと共に江戸に来ていた倹約家のお辻を演じる。渡辺演じるお辻は、波乃の父である十七世中村勘三郎の当たり役といわれていた。波乃は「えりさんがお辻をなさるというとき、父の写真をお見せしたんです。そんとき『こんなお辻をやりたい』と涙ぐんでくださって。父は前髪がないお辻をやっていたのですが『髪型は同じように』と父を追いかけてくださった」と語る。

 さらに波乃は「えりさんは弟(十八代目中村勘三郎さん)と友達で、私は弟から借りて、いい友達にさせていただいた。本当にえりさんがいると稽古も笑いが絶えない。きっと楽しいものができる」とお辻とおゆうのコンビに自信をのぞかせる。

 また波乃は「歌舞伎の時代物や世話物もそうですが、新派も76年やっていると一つの型になってしまう」と伝統ゆえにパターン化してしまうことがあるというと「でもえりさんは、一つ一つ疑問を投げかけてくれる。わたしもお辻を演じたことがありますが、ここまで考えていなかったと反省しています」と渡辺の探求心を絶賛すると「目から鱗なことも多い。えりさんも新派の良さを分かってもらえたら嬉しい。とにかくまっすぐで嘘がない」と人間性にも賞賛を送っていた。

 会見には喜多村緑郎、河合雪之丞、瀬戸摩純も出席した。「初夏の新派祭」は6月1日から23日まで三越劇場にて上演。

次のページへ (2/2) 【写真】「初夏の新派祭」取材会の様子
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