「ONE」は格闘技、eスポーツとどう向き合うか? 秦 アンディ 英之社長にインタビュー
格闘技団体「ONE Championship」が第100回を記念した大会「ONE:CENTURY 世紀」を13日、東京・両国国技館で開催する。その大会に先駆け5日と6日に渋谷・ベルサール渋谷ガーデンで「ONE Martial Arts Fan Fest(ファンフェス)」を開催。多くの格闘技ファンが会場に詰めかけた。このファンフェスでは、eスポーツイベントや「ONE」参戦への登竜門的イベント「ONE WARRIOR SERIES」を日本で初開催するという新しい試みを行い、格闘技関係者の注目を集めた。今後「ONE」は格闘技界、eスポーツにどう向き合い展開していくのか。「ONE」日本代表取締役社長の秦 アンディ 英之氏(47)に直撃した。
「ONE」は様々な競技の裾野を広げるのが目的
格闘技団体「ONE Championship」が第100回を記念した大会「ONE:CENTURY 世紀」を13日、東京・両国国技館で開催する。その大会に先駆け5日と6日に渋谷・ベルサール渋谷ガーデンで「ONE Martial Arts Fan Fest(ファンフェス)」を開催。多くの格闘技ファンが会場に詰めかけた。このファンフェスでは、eスポーツイベントや「ONE」参戦への登竜門的イベント「ONE WARRIOR SERIES」を日本で初開催するという新しい試みを行い、格闘技関係者の注目を集めた。今後「ONE」は格闘技界、eスポーツにどう向き合い展開していくのか。「ONE」日本代表取締役社長の秦 アンディ 英之氏(47)に直撃した。
――「ONE Championship」とは何か改めて教えて下さい。
「MMA(ミックスド・マーシャル・アーツ/総合格闘技)は世間から”野蛮”と言われ、本来あるマーシャルアーツの本筋、アジアの”武道の精神”というものが伝えきれていないと感じました。もうひとつはアジアにおけるビジネス的視点です。各大陸には必ずスポーツビジネスがあります。アメリカはNFL、MLB、NBA、NHLの4大メジャースポーツ。ヨーロッパはF1、プレミアリーグ、ラ・リーガ。ではアジア全体に目を向けると、実はスポーツビジネスがあまりないんですね。だから『ONE』はアジアの”武道の精神”を一つの軸とするスポーツビジネスとして立ち上げました。アジアは強いファイターに恵まれているので、『ONE』が世界に通用するプラットフォームになり、ファイターは最強を懸けて争う。我々は世界に通用するスポーツメディアとして活動しています」
――日本にも様々な格闘技団体がありますがどう向き合っていますか。
「私は今年2月に社長に就任しました。そこで気になったのは海外の団体が日本に来ると、興行だけやって帰っていく感じに見えました。大会当日までの熱は高まりますが、その熱が日本の格闘技界全体に伝わったかと思うと、実は層が広がっている感じがない。我々『ONE』は日本でただ興行をやるのでなく、日本にある格闘技団体と競技の裾野を一緒に広げたいという思いがあります。今回も『ONE マーシャルアーツ・ファンフェス(ファンフェス)』ではアマチュア修斗、新空手の試合を行いました。プロ修斗の選手も『ONE』に出場してヒーローになってほしいし、そこを通って修斗の競技人口が増えてほしい。競技も本気になって一緒に作っていきたいです。修斗の他にもパンクラスや新空手という日本にある団体としっかり提携していくことから着手しています。日本にある競技の普及を少しずつ積み重ねながら取り組んでいき、『ONE』の大会で伝えたいと思っています」
――ファンフェスは幅広いファンの方々が来場されていました。
「ファンフェスでは『ONE WARRIOR SERIES』を初めてライブで行いました。世界初の試みです。このイベントはとにかく素晴らしい試合をすれば、『ONE』と契約することが出来る。契約金は約1000万円。『ONE』はヒーローをつくり、育てて、世界に発信できる格闘技の場。それを日本で取り組みはじめたということです」
――MMAといえば世界一のプロモーション力をもつ格闘技団体UFCがあり、日本にはRIZINというイベントがあります。「ONE」はこれらの団体とは競うのでしょうか。それとも共存というスタンスなのでしょうか。
「我々はまず格闘技界のマーケットを大きくしなければいけません。今できることを徹底してやっていきます。たとえばアメリカのTNT(ターナー・ネットワーク・テレビジョン)という放送局と組んで13日の日本大会を生中継します。TNTと組むことでNBAの番組に『ONE』のヒーローを出演させることが可能です。我々はあくまで他ジャンルとのクロスオーバーを狙っています。こういった相乗効果を行い、『ONE』は格闘技界のマーケットのその向こう側、もっと世界的な広い視野で活動をしていきたいです。ですので、共存か競争かは、それらが成功してからの話になると思います」
――マーケットを大きくしてから、スケール感のある展開をしていくのですね。
「まさにそうです。いろんな方々に見てもらいたいので、他ジャンルとの相乗効果をいくつも狙って、そこを入口にしてくれたらと。AbemaTVで『ONE』を楽しんだり、実際に『ONE』のファンフェスの会場に来たり、『ONE』本戦をライブで体感したりと、いろんな楽しみ方があると思いますので。ぜひ会場に来てほしいです。特に格闘技をあまり普段すすんで見ない人に見てほしいですね」