タモリがストーリーテラーを務める人気シリーズの最新版「世にも奇妙な物語 ’20夏の特別編」(フジテレビ系)の放送が、7月11日に決定した。1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送を続け、その名の通り「奇妙な物語」の世界観を作り出してきた本シリーズは、今回の放送で30周年という大きな節目を迎える。さらに、女優でモデルの杏がオムニバスの一篇に主演することが決まった。

　今回も豪華な役者陣がそろい、より一層に“奇妙な”4つのお話が登場する。記念すべき30周年にふさわしい、杏の主演。2013年放送のNHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」の卯野め以子役などを演じ、抜群のスタイルとルックスでありながら圧倒的な演技力に定評のある杏が、フジテレビのドラマで主演を務めるのは、2015年1月～3月に放送した「デート～恋とはどんなものかしら～」以来5年半ぶり。さらに本シリーズに登場するのは、2011年5月に放送した「世にも奇妙な物語21世紀21年目の特別編」の「分身」以来9年ぶり2度目となり、今回登場するのは「燃えない親父」という物語だ。

　そんな杏の弟役として、NHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」の八郎さん役が記憶に新しく、“八郎沼”なる言葉がSNSなどで登場したほど、いま最も注目されている役者の1人である松下洸平が演じることになった。松下は今回がシリーズへの初参加となる。いずれも朝ドラ経験者の2人の間でどんな奇妙なストーリーが紡がれるのか。なお、「燃えない親父」の撮影は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じた上で、緊急事態宣言発令前に行われた。

　杏が演じるのは、仕事一筋で、バリバリ働く女医・松田春香(32)。父親が亡くなり、家族で火葬場に来ているというのに、悲しんでいる家族の横で、携帯で仕事の指示を飛ばす、いわゆるキャリアウーマン。松下演じる弟の松田光一(27)はそんな春香を少々苦々しく思っている。ところが、父親の松田徹(65)の遺体をいよいよ火葬し終わったところで風向きが変わる。なんと、遺体が＜燃えない＞のだ。遺体以外のすべての物は燃え尽きたというのに遺体だけが燃えない。“何か徹に心残りがあるのでは?”と、皆川猿時演じる火葬場職員の鬼瓦(51)から指摘され、考えた親族一同はその原因を探しだそうと奮闘する。ところが、解決したと思い再び遺体を焼いてみるも、やはり＜燃えない＞……。あきらめた春香は仕事場の病院へ戻ろうとするが、そんな中、春香に関する長年秘められてきた事実が明らかになる……。そして、最後は無事遺体を燃やすことができるのだろうか!?

　いわゆるホラーというよりは、どこか少しコミカルで、最後はじーんと胸が温かくなるようなストーリーの「燃えない親父」はほかにも、松田光一の妻・松田悦子(28)役を近年活躍がめざましい森矢カンナが、春香と光一の祖母で、徹の母親・松田トシ(85)役を山本道子がふけメイクで挑む。「燃えない親父」、そしてすでに広瀬アリス主演が発表されている「しみ」を含む、4つの珠玉のエピソードが含まれる今夏の特別編に注目だ。