猛暑が続いた今夏、うだるような暑さが落ち着きつつあるいま、少しずつ色づき始めた紅葉などを楽しもうと旅行の計画を立てる人も増えている。SNSでは、一足早く遠出をした息子が父親に送った1枚の写真が2.5万件ものいいねを集めた。投稿したロワ（花屋・ロワテオ）（@hana_inko）さんに聞いた。

　オカメインコなど3羽のインコと暮らし、小鳥グッズの制作・販売をしているロワ（花屋・ロワテオ）さん。現在は10月5日から埼玉県内で始まる小鳥をモチーフにしたグッズだけを販売するイベント「ことりバザール Vol.6」に向け、慌ただしい日々を過ごしている。

　関東地方の多くで秋風を感じられた9月30日。同居している大学生の息子が「旅に出てくる」と言い残して家を出た。そしてその当日午後8時前に、旅先から1枚の写真が届いた。

「息子氏がちょっと旅に出てくると言い残し家を出て行ったのが今朝のこと。そして先ほどこの写真が送られてきた。オマエドコニイル？」。

　ロワ（花屋・ロワテオ）さんが驚いたのもそのはず。そこにはヨーロッパ風の建築物にボートが浮かんだ池、遠方には美しい山々が連なる風景が広がっていた。毎回場所は明かさずに、写真のみを送って来るため、「SNSに投稿をすれば誰か場所を教えてくれるかな？」と期待し発信したという。

　写真を見た人からは「日本…。ではないようですね…」、「ベルギー？」「これは知ってる人じゃなきゃ絶対に海外だと思う（笑）。俺は北欧だと思いました」という声が集まったほか、訪れたことがある人からは「箱根でヴェネツィア気分が味わえるガラス美術館です」「箱根ですねー。ガラスの美術館、素敵でした。確かに異国情緒あります」などの回答が寄せられた。

　210.4万回も表示された写真の場所は、神奈川・箱根ガラスの森美術館。日本初のイタリア・ヴェネチアングラス専門の美術館で、園内では15世紀から19世紀にかけてのヴェネチアングラスや、現代のヴェネチアガラス作品が展示されている。池の側にある橋に装飾されたクリスタルガラスのアーチは10メートルにも及ぶ「光の回廊」と呼ばれるアート作品。約16万粒のクリスタルが幻想的な風景を生み出している。後ろに見える山々は、箱根のシンボル的な存在・大涌谷と見どころが多く、写真映えする場所としても人気だ。

　ロワ（花屋・ロワテオ）さんは「ふらりと登山に出掛けたり、1人キャンプなどもする子で、友人ともよく旅行に行くので今回もいつものことです」とコメント。投稿の反応に対しては「場所が海外だと思った方が結構いたので、そう言われると確かに海外の風景にも見えるなと思いました」と話してくれた。

　箱根旅行を満喫し帰宅した息子からは、温泉まんじゅうをお土産にもらったそう。「箱根のメジャースポットは回ってきたと言ってました。大涌谷の黒タマゴ食べて寿命が延びたそうです。『写真投稿したらバズってたよ』って話したら、『え？　あの写真が？　何でだろ？』って感じでした」とやり取りを明かしてくれた。