2度のクローン病に最愛の妻の死 “松戸の不死鳥”征矢貴のモチベーション【RIZIN】
ABEMA昼のニュース番組『ABEMAヒルズ』(平日、土曜午後12時)の15日放送回ではクローン病と闘う格闘家・征矢貴の特集の模様を放送した。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』で特集
ABEMA昼のニュース番組『ABEMAヒルズ』(平日、土曜午後12時)の15日放送回ではクローン病と闘う格闘家・征矢貴の特集の模様を放送した。
千葉県柏市を拠点にしている征矢。通算12勝5敗で今月24日に開催される『RIZIN.44』に出場予定のフライ級ファイターだ。現在28歳で、“松戸の不死鳥”とも呼ばれ、これまで“クローン病”と呼ばれる難病によって2度の長期休養を余儀なくされている。
クローン病とは、消化器官に炎症を引き起こす原因不明の病気で、国内におよそ4万8320人(2019年度時点)の患者がいるが今も根本的な治療法は見つかっていない。征矢を襲った最初の異変は、2017年の22歳。当時の症状を「最初はシンプルに“トイレが近いな”みたいな。トイレに行っても便意はあるけど、実際には出なくて。何回もトイレに行くわけなんですけど、そこからだんだん腹痛も酷くなってきて熱も出て」と振り返る。クローン病と診断されると治療に専念するため休養を発表した。この年に最愛の妻の死去も報告していた。
「他にはなにもない、これしかないぞ」と自分に言い聞かせていた征矢は、驚異的な回復を見せ、最初の休養発表から2年後の19年6月にRIZINの舞台に復帰し、見事なKO勝ちを収めた。しかし、喜びもつかの間、征矢に再び試練が訪れる。翌年の20年にヘルニアと脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を発症し、21年にはクローン病も再発。またしても入院を余儀なくされた。
「正直、この時はきつくて、とにかく健康になりたいと神に祈っていたのを覚えていますね」と当時の思い出し、言葉を漏らした。
21歳の若さで亡くなった妻の、最後まで生きることを諦めなかった姿勢とファンの声に支えられ、征矢選手は22年4月にRIZINの舞台に再度復活。またもKO勝ちを収め「僕は不死身ですので」と言葉を残した。そして迎える今月24日は、憧れの“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナで自身5度目のRIZINの舞台に立つ。
「僕が活躍することで“勇気をもらえた”とか、“同じ病気だけど僕も頑張ります”と言ってもらえるのは、モチベーションのひとつです。今まで、クローン病で2回入院しても治してきたという思いもあって、“何回再発しても俺は戻ってやるぞ”くらいの気持ちで今はいるので。KO勝ちを期待していてください」と意気込みを語りました。
幾度となく病魔に襲われても、不死鳥のごとくリングに戻ってくる征矢の姿に、スタジオコメンテーターの神庭亮介は「普通に社会生活を送るだけでも大変なのに、身体的負荷が高い格闘技をやりながら、再発も乗り越えて立ち上がる姿はすごいと思った。体だけでなく、意志の力がなによりすごいと感じた」と、征矢選手の格闘技にかける熱い気持ちに感嘆の声を漏らした。