上島光、夫・上島竜兵さんエッセイ発売の理由「皆さんの心にとどめておいてほしい」

昨年5月に他界したダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの妻でタレントの広川ひかるが10日、都内で書き下ろしエッセイ『竜ちゃんのばかやろう』(8月10日発売)の出版記念メディア向け発表会を行った。執筆に至った背景や心境などを語った。

出版記念メディア向け発表会に登場した広川ひかる【写真:ENCOUNT編集部】
出版記念メディア向け発表会に登場した広川ひかる【写真:ENCOUNT編集部】

パソコンの前で筆が止まることも、出版記念メディア向け発表会

 昨年5月に他界したダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの妻でタレントの広川ひかるが10日、都内で書き下ろしエッセイ『竜ちゃんのばかやろう』(8月10日発売)の出版記念メディア向け発表会を行った。執筆に至った背景や心境などを語った。

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 竜兵さんは寺門ジモン、肥後克広と共にトリオとして芸能界で長く活躍し、世間に親しまれた。ところが2022年5月11日、竜兵さんが意識を失っていたところを広川が発見。そのまま帰らぬ人となった。享年61。

 竜兵さんの妻である広川は1988年、フジテレビ系の『発表日本ものまね大賞』で優勝して芸能界入り。94年に竜兵さんと結婚し、結婚後は一時主婦業に専念するが、その後ものまね番組や情報番組のリポーターなどで活動してきた。現在52歳。

 今回の初著書は、芸名の「広川ひかる」ではなく、「上島光」名義で上梓。不幸が起きるまでの過程や葬式に集った有吉弘行や劇団ひとりら大物芸能人たちの反応、その前後の自身の心境や乳がん発症、竜兵さんの私生活、遺書など、広川の判断において発表できうるかぎりの内容を赤裸々に告白している。

 広川は「上島竜兵という芸人がいたことを、皆さんの心にとどめておいてほしいという、そういう気持ちから出版することになりました」と説明し、「(世間が)上島竜兵をずっと覚えていてくださる。そうすると上島竜兵は生きていると私は思うんです」と述べた。

 同書の執筆は、広川にとって「竜ちゃんが亡くなった現実に向き合うことになりますので、とても辛いものがありました。パソコンの前で筆が止まることもあった」と胸中を吐露。「行けるときは、ほぼ毎日お墓参りをした。住職と何気ない話をしたり、友人からいただいたお花をお墓にたむけたりした。そういう何気ない日常がちょっとしたリラックスになり、またパソコンに向かうことができました」と話した。

 続けて「結婚生活は最後残念な形になったけど、辛いことばかりではなかった」と言い、竜兵さんの人柄に言及。「『ありがとう』という言葉をよく言ってくれる人でした。『ご飯を作ってくれてありがとう』、『洗濯してくれてありがとう』、『掃除してくれてありがとう』と。常に『ありがとう』と言う人でした。いきものがかりの『ありがとう』が本当に好きで、カラオケでもよく歌っていた」と述懐。

 竜兵さんに「ありがとう」と言われることに「ちょっと恥ずかしいんですね(笑)。素直に受け入れられなくて『ありがとうって言ってくれてありがとう』と言うと、また竜ちゃんが『ありがとう』と言ってくれる。ずっとありがとうの繰り返しになった」と笑った。

 竜兵さんが去って約1年3ヵ月。約28年間の夫婦生活を振り返って「竜ちゃんは太陽だった。仲間内では『太陽様』というあだ名もあった。それぐらい明るい存在でした」とほほ笑みつつ、今回の著書について触れながら「自分を過小評価する人だった。『僕のことなんて書いても誰も気にしないよ』ってなるのかな」とコメント。あらためて「私は竜ちゃんのこと大好きだったんだな、と思う。いなくなって本当に寂しい」と胸中を吐露した。

 会見最後にマイクを手にすると、広川はあらためて「上島竜兵を、どうぞ忘れないでください」とメッセージを送った。

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