スポーツカー好きが心奪われた“正反対”の旧車 妻は「計算外」でもキャンプで大活躍
スポーツカー好きの心は、キュートな英国車にすっかり奪われた。愛車は貴重なミニで、1976年式のクラブマン・エステート。旧車の味わいに浸りながら、夫婦でキャンプに出かけ、アクティブに乗っている。39歳男性オーナーの「運命の出合い」とは。
日産シルビアやユーノス・ロードスターを愛した過去
スポーツカー好きの心は、キュートな英国車にすっかり奪われた。愛車は貴重なミニで、1976年式のクラブマン・エステート。旧車の味わいに浸りながら、夫婦でキャンプに出かけ、アクティブに乗っている。39歳男性オーナーの「運命の出合い」とは。(取材・文=吉原知也)
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「ブリティッシュ・レイランド時代のミニです。ずっと探していて、4、5年かけて見つけ、2020年に手に入れました」。タヒチブルーが鮮やかなボディーは、ウッディーな外装も印象的だ。「このクラブマンのモデルは現存数が少ないんです。もともと日産・サニーやハコスカのような、カクっとした丸目が好きで、このミニは、70~80年代の国産車のようなデザインが気に入っているんです」。満面の笑みを浮かべる。
12年前からミニに乗り始め、どっぷりハマり、「人生が変わりました」という。
若い頃は日産シルビアに乗り、ユーノス・ロードスターを駆った。一方で、結婚してライフステージを進めるにつれ、乗る車について再考するようになった。「ライトウェイトは楽しくて、2人乗りのオープンカーを満喫してきたのですが、もうちょっとね、となりました。好き放題やってきたので。4人乗れて屋根が付いたクルマに乗ろうと。それで、自分の趣味と合うクルマを探し始めたんです」。
同い年の妻と一緒に、あれこれと候補を検討していった。「これはどう? の提案が却下され続けまして(笑)。趣味嗜好、価格、デザインなどもろもろマッチしたのがミニだったんです。ポール・スミスのブルーカラーの限定車を買いました」。2011年のことだった。妻に“審査”について聞くと、「私自身、クルマに全然興味はなかったのですが、夫が旧車が好きなのは知っていたので、なるべく古いクルマに長く乗ってもらおうと思いました。だから、現代車はカスタムをしたくなったり、ニューモデルとか買いたくなっちゃうからダメって言ったんです。ミニはかわいかったからOKを出しました」と笑顔で教えてくれた。
“ミニ生活”を楽しむ中で、それでも、旧車のエンジン仕様に引きつけられ、結局、3年前に同じミニに乗り換えをすることになった。「やっぱりキャブレターのクルマに乗りたいなと。それでデザインの素晴らしいクラブマンに目を付けたんです。知人が乗っていたブルーの1台が売りに出されているのを見つけて、販売元の専門店で買ったんです」と男性オーナー。妻は「計算外でした」と笑うが、今では夫婦のお気に入りの“家族”とも言える存在になっている。
アウトドアの心強い相棒でもある。以前のミニはルーフキャリアを付けて荷物を運んでいたが、このクラブマンは後ろに積むことができる。「普通のミニの長さは3メートル5センチなのですが、これは3メートル40センチあります。リアは観音開きでシートを倒すこともできます。積載量が違うんですよ! もちろんSUVに比べるとそこまで積めないので、テント一式の道具は厳選します。そこにこだわるのもいいんですよ」。キャンプの行き先は山梨や静岡。時にはミニ仲間やクラブマン仲間と一緒に野外活動を楽しんでいるという。
そんな愛車には“生涯乗車”を力強く宣言。「ノーマルを残しつつ、例えばクーラーを取り付けたのですが、不便なところは現代に置き換えるという考え方で乗っていきたいです。このクルマに出合った運命です。極力雰囲気を維持しながら、自分が乗れる限り乗っていきたいですね」と声を弾ませた。