山本晋也監督、30年ぶりの最新作映画始動 新型コロナ問題描く「テーマにしないわけにはいかない」

山本晋也監督(84)が30年ぶりに挑む最新作映画プロジェクトが始動している。新たに選んだテーマは新型コロナウイルス問題。脚本は、今年「夜明けまでバス停で」でキネマ旬報ベスト・テン日本映画脚本賞などを受賞した梶原阿貴で撮影は今秋から開始される。

山本晋也監督
山本晋也監督

1965年に『狂い咲き』で監督デビューした山本晋也

 山本晋也監督(84)が30年ぶりに挑む最新作映画プロジェクトが始動している。新たに選んだテーマは新型コロナウイルス問題。脚本は、今年「夜明けまでバス停で」でキネマ旬報ベスト・テン日本映画脚本賞などを受賞した梶原阿貴で撮影は今秋から開始される。

 エイズ、ハンセン病、原発放射能問題……。常に社会問題に向き合ってきた山本晋也監督。本作ではコロナを患ったという噂を立てられた一軒家を舞台に集落から孤立し、差別を受ける家族が社会に立ち向かうヒューマンエンターテインメント。

 2020年春。とある地方の村で60年以上暮らす永野家に、東京の大学に通う孫娘が帰省する。孫娘が持ち込んだコロナウィルスが家族に感染したという噂が、村中で広まったことから、一家全員が隔離生活を送ることになる。閉塞空間の中で、ストレスは極限に達し、そのうち各々の秘密や嘘が露呈する。村八分にされた永野家は地域住民から受ける差別にどう立ち向かうのか――。

 新プロジェクト開始に山本は「ご無沙汰しております。何十年かぶりに映画を撮ることになりまして、どういう脚本にしようか、どういう内容にしようか、いろいろ迷ったのですがコロナのパンデミックをテーマにしないわけにはいかないと思いました。(コロナは)したたかに生きてますよね。第9波とか、第10波とかどんどん増えていっても死なないんだから。田舎の町ののんびりした農家家族にコロナがポンと入ってきたらどうなるのか。誰でも気にはなると思うのです。そういう映画を作るのですが、僕のテーマである“清く正しく厭(いや)らしく”。これをテーマにして映画にします。おもしろいですよ」とコメントを寄せた。

 山本は1965年に『狂い咲き』で監督デビュー。監督作は『完全なる結婚』『未亡人下宿』『痴漢電車』『下落合焼とりムービー』『濡れ濡れ姉妹』『愛染恭子の未亡人下宿』(T)『安部譲二の懲りないシリーズ』『都会のタコツボ師』など。監督業以外で、俳優、レポーター、講演などマルチに活躍している。

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