ブロッコリーが水をはじくのはなぜ? 農薬と誤解されがちな天然由来の成分を農家が解説

ブロッコリーが水をはじくのはなぜ? 素朴な疑問に答えた農場の投稿がネット上で話題を呼んでいる。農薬とも誤解されがちな天然由来の油膜「ブルーム」とはいったいどんなものなのか。石川県白山市でブロッコリーを主力とした農業法人を営む有限会社安井ファームに聞いた。

水をはじき、ゆでると油膜が流れ出るブロッコリー(写真はイメージ)【写真:写真AC】
水をはじき、ゆでると油膜が流れ出るブロッコリー(写真はイメージ)【写真:写真AC】

農薬とも誤解されがちな天然由来の油膜「ブルーム」

 ブロッコリーが水をはじくのはなぜ? 素朴な疑問に答えた農場の投稿がネット上で話題を呼んでいる。農薬とも誤解されがちな天然由来の油膜「ブルーム」とはいったいどんなものなのか。石川県白山市でブロッコリーを主力とした農業法人を営む有限会社安井ファームに聞いた。

「Q. ブロッコリーをゆでた後のお湯に油のようなもの(油膜)が浮いているのですが、何でしょうか?

A. 農薬と誤解されがちなこちらの油膜ですが、その正体は『ブルーム』と呼ばれるブロッコリーの天然由来の成分で、万が一クチに入っても問題ございませんので安心してお召し上がりいただければと存じます」

 今月13日、安井ファームが公式アカウントに投稿した豆知識は、6000件を超えるリツイート、2.9万件のいいねを集めるなど話題に。一連の投稿では「ブルームによる保護は、ブロッコリーのご先祖様が乾燥や外敵から身を守るために適応した結果であると考えられており、植物本来のチカラによるものです。ブロッコリーが水を弾くのもブルームによるもので、こちらもブロッコリー的には通常営業となっております」「ブロッコリーの他にもキュウリやブドウ、柿、ブルーベリーなどの表面にみられる白い粉のようなものや、リンゴ表面のツルツルの正体もすべてブルームということで、ブルームは意外と自然界に当たり前に存在しております」と解説している。

 投稿に至った経緯について、安井ファームの担当者は「ゆでた後に残る油膜、あるいは洗う際に水に浮く油のようなものの正体は何か、ブロッコリーはどこまで洗えばいいのかというご質問を定期的にいただくことから、そうした情報をお届けできればと思い発信させていただきました」と説明。ブルームは農薬と誤解されることも多く、今回、その正体について解説する投稿を行ったという。

「農薬だとは思わずとも、油膜や油のようなものを見て、ブロッコリーの自然由来のものだとはなかなか結び付かないというところで、生産者として消費者のみなさまに向けてブルームの存在を発信する重要性を再認識いたしました」と担当者。

 ブロッコリーの切り分け方や洗い方については「小房をカットする際は森めいた部分の方から刃を入れるとツブツブが散らばってしまうため、根元の方から包丁を入れて手で割くようにして分割するのがポイントです。洗い方につきましては正しい洗い方というものはなく、食べる方がどこまで納得できるかという考え次第。流水でサッと洗い流してもよいですし、水を張ったボウルに房を下にして入れて茎部分を持って揺するように念入りに洗ってもよいです」とアドバイス。

 これからの季節におすすめの調理法としては、「森めいた部分をサッパリと食べられるレシピで手軽なものとしては、加熱したブロッコリーを酢じょうゆにつけて食べる、あるいはねり梅とマヨネーズを混ぜた梅マヨネーズをディップして食べるのがオススメです。茎をサッパリと食べられるレシピとしては、皮を取り除いた茎をピーラーで薄くスライスしたものにポン酢をかける、というレシピもオススメです」と教えてくれた。

次のページへ (2/2) 【写真】ブロッコリー農家が教えるカット方法
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