大河で松潤の娘役、カルピスCMも話題の16歳・當真あみ 初の長編映画で広瀬すずに体当たりの演技

NHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)に亀姫役で出演している俳優の當真あみが、最新映画『水は海に向かって流れる』(前田哲監督、6月9日公開)で初々しい告白シーンを見せている。好意を寄せていた相手に、音楽室でお弁当を食べながら打ち明けた思いは成就するのか――。撮影では、初共演した俳優の広瀬すずに体当たりした場面もあったと語る。初の長編実写映画出演作について、さらに私生活で“告白したいこと”を、話題の16歳に聞いた。

「憧れは長澤まさみさん」と語った俳優の當真あみ【撮影:ENCOUNT編集部】
「憧れは長澤まさみさん」と語った俳優の當真あみ【撮影:ENCOUNT編集部】

沖縄から単身上京 実家から送られてくる“おかず”をパワーに

 NHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)に亀姫役で出演している俳優の當真あみが、最新映画『水は海に向かって流れる』(前田哲監督、6月9日公開)で初々しい告白シーンを見せている。好意を寄せていた相手に、音楽室でお弁当を食べながら打ち明けた思いは成就するのか――。撮影では、初共演した俳優の広瀬すずに体当たりした場面もあったと語る。初の長編実写映画出演作について、さらに私生活で“告白したいこと”を、話題の16歳に聞いた。(取材・文=西村綾乃)

 原作は『第24回手塚治虫文化賞新生賞』などを受賞した田島列島の同名漫画(講談社)。通学のために脱サラした叔父・歌川茂道(高良健吾)が暮らすシェアハウスに居候することになった高校生の熊沢直達(大西利空)が、恋をやめてしまった榊千紗(広瀬すず)の心を開いていく様子が描かれる。當真は直達に思いを寄せる同級生・泉谷楓を好演している。

「今回の作品は、私にとって初めての長編実写映画。撮影が始まる前からワクワクしていました。楓は自分の気持ちを素直に表現できる女の子。榊さんと直達が親しくしているのを見て榊さんに嫉妬したり、好きな子に告白をしたり。私自身は自分の気持ちを相手にぶつける行動力がないので、原作を読んで『すてきだな』と楓に憧れました」

 NHKの大河ドラマ『どうする家康』では、時の権力者である徳川家康の娘・亀姫を熱演。亀姫も映画で演じた楓も、真っすぐなまなざしが印象的だ。

「撮影の前に前田監督にお会いしたとき、『強い目をしている』と言っていただきました。『意思がはっきりしていることは、その瞳から伝わる』と。自分ではそういう意識がなかったのですが、『そのままでいい。自然な感じでいいよ』と言われたので、リラックスして撮影に臨むことができました」

 陸上部のエースという役どころ。小・中学校では吹奏楽部だった當真は、走るフォームを覚えるのに必死だったそう。「陸上をやっている人が見たときに、『こんな風に走らない』と思われないように。経験者が見ても納得できるような走り方ができるまで、トラックを何周もしました」

 映画では広瀬演じる榊に、真正面から気持ちをぶつける場面もあった。

「これまで感情を爆発させるということがなかったので、気持ちを吐き出すということがとても難しかった。感情とセリフ、表情などがうまく表現できなくて、何度か撮り直してしまいました。『大丈夫だよ』と声をかけて芝居に付き合ってくださった広瀬さんに感謝しています」

 役者の醍醐味(だいごみ)は「自分ではない人になることができること」と語る當真。映画では、ダジャレ好きな楓に苦労したと苦笑いした。

「甘酸っぱい告白のシーンでも『ハート泥棒!』と言ってみたり、普段使わないようなワードがたくさんあって、『恥ずかしいな』と感じたところもありました。ダジャレは一生分言ったと思います。

 生まれ育った沖縄で2020年10月にスカウトされ、21年7月にCMでデビュー。現在は東京に拠点を置き、俳優活動にまい進している。映画のように“告白”したいことはあるだろうか。

「漫画を集めるのが趣味で、沖縄にいたときからたくさん持っていました。取材とかで言っているから、バレていると思うんですけど、お母さんに『漫画が増えました……』と告白しなきゃいけないなって……。最近集めているのは『ハイキュー!!』です。45巻まであるのですが、今10巻まで持っていて、『買い集め過ぎちゃダメ』と沖縄にいたときから言われていたのですが……。増えてきています」

 上京した当時は人の多さに驚いたそう。東京・渋谷駅前のスクランブル交差点を行き交う人の波をビルの上から見たときには「お祭りがあると思った」とはにかんだ。単身暮らす娘のため実母から定期的におかずが送られてくるという。

「映画の中にもたくさん元気になるご飯が出てくるのですが、私の元気飯はお母さんのハンバーグ。冷凍してたくさん送ってくれるのを、いつも楽しみにしているんです。おいしいので、すぐに食べちゃいます」

 今年は日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)、NHKドラマ10『大奥』、同『どうする家康』などに出演。役者の先輩から学ぶことは多いと気を引き締める。

「大河ドラマではお母さん役の有村架純さんから、着物を着ているときでも楽に座れる正座を教えてもらいました。ドラマ『オールドルーキー』(TBS系)にゲスト出演したときには、綾野剛さんがセリフの言い回しを教えてくださいました。いろいろなことを吸収していきたいです」

 現在16歳。映画のように世界を変えた「出会い」はあっただろうか。

「沖縄にいたときは、テレビなどを見ることは少なかったのですが、演技のために映画やドラマを見て勉強するようになりました。憧れは、長澤まさみさん。出演された『ドラゴン桜』(TBS系)では弁護士役。ドラマや映画にもなった『コンフィデンスマンJP』では詐欺師など全然違う役を演じていて、幅の広さを感じました。長澤さんのような役者になりたいです」

 長澤との共演はまだだが、長澤がブランドの広告キャラクターを務める乳酸飲料「カルピス」が販売する「カルピスウォーター」の14代目CMキャラクターを任されている。

「長澤さんはもちろん、活躍している俳優さんが出演してこられたCM。最初にお話を聞いたときは、すごい緊張しました。先輩方に負けないように、14代目として頑張っていきたい」

□當真あみ(とうま・あみ)2006年11月2日、沖縄県出身。20年10月にスカウトされ、21年7月にCMでデビュー。翌年12月に公開の映画『かがみの孤城』で主人公・こころ役の声を務めた。23年は、『ZIP!』朝ドラマ『パパとなっちゃんのお弁当』、日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)、NHK大河ドラマ『どうする家康』などに出演。映画『忌怪島』の公開を6月16日に控えている。

■スタッフクレジット
ヘアメイク:SAKURA
スタイリスト:大村淳子

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