ライブハウスが痴漢警戒、一部で“見守り隊”発足 ファンは「チカン禁止」ポスター制作

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ規制が緩和される中、ライブやコンサート会場に足を運ぶ人が増えて来た。1月末に政府が「新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針」を一部変更したことを受け、客の「声出し」を解禁するアーティストも。活気を取り戻しつつある中で、ライブ鑑賞中に痴漢などの迷惑行為も増加傾向にあるという。ライブハウスの一部では、「チカン防止」のポスター掲示や、ライブのときに不審な客がいないか目を配る“見守り隊”が発足。関係者は「大きなライブハウスなどにも活動が広がって行けば」と期待している。

ライブハウスでの痴漢行為に有志の“見守り隊”が注意喚起(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ライブハウスでの痴漢行為に有志の“見守り隊”が注意喚起(写真はイメージ)【写真:写真AC】

規制緩和で迷惑行為が増加傾向に

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ規制が緩和される中、ライブやコンサート会場に足を運ぶ人が増えて来た。1月末に政府が「新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針」を一部変更したことを受け、客の「声出し」を解禁するアーティストも。活気を取り戻しつつある中で、ライブ鑑賞中に痴漢などの迷惑行為も増加傾向にあるという。ライブハウスの一部では、「チカン防止」のポスター掲示や、ライブのときに不審な客がいないか目を配る“見守り隊”が発足。関係者は「大きなライブハウスなどにも活動が広がって行けば」と期待している。

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「チカン防止」のポスターを作成し、ライブハウスなどに配布しているのは、ライブハウス内でのチカン禁止(@no_molester)の名で活動する音楽ファン。「身近にあり、よく足を運ぶライブハウスからの動きを作ることができれば」と考えたという。

「ライブ前や、ライブ中、ライブが終わった後にも、チカン行為があったことが確認されています」。コロナ禍でライブから離れていた人たちには「まだなくなっていないということを頭の片隅に置いてほしい」と語り、また初めてライブハウスを訪れる人のため、「意識することで、被害者も加害者もなくなるのでは」と思いを込めた。

 大阪から始まった動きは、少しずつ広がりを見せ作成したポスターを店内に貼ってくれる店舗も増えて来た。2月には東京・台東区にあるライブハウスにもポスターを設置。「意識が当たり前に浸透して、楽しい空間を過ごせるまで活動は続けたい」と話している。

 ポスター掲示のほか、ライブ会場で困った人がいないか見て回る“見守り隊”も誕生。見守り隊は、ポスターに使用されているロゴをモチーフにしたバッチを付けており、「性別関係なく被害者の方はバッチを付けている人、ポスターを貼っているライブハウスのスタッフの所に助けを求めてほしい」と呼びかけている。

 SNSではコンサート会場などで、迷惑行為を受けた経験を持つファンが「ライブでのマナー、ルールなどを話し合いできるグループを作りたい」と声を上げた。LINEなどに作ったグループで集まった意見をまとめ、発信しているクロニカ(@wawon_alea)さんは「大好きなアーティストのために、会場に集まったみんながそれぞれの努力をして作り上げた楽しい場所を壊す行動。己の私利私欲のために壊さないでいただきたいです」とコメント。

 痴漢行為については「痴漢行為を受けている本人は、かなり怖い状況に置かれていると思いますが、だからこそ冷静になり周りに助けを求めてほしいです。ライブ会場は音が大きく、人同士が密着している場なので声を張り上げることが出来なくても、前の人の肩をたたくなどで気づいてもらえる可能性があります。チカン行為に気づいた人は、その状況について即座に周りに声をかけること、そして被害者の方と加害者を引き離す、スタッフに報告することが出来ると思います」と提案している。

次のページへ (2/2) 【写真】ライブハウス内での痴漢行為禁止を訴えるポスター
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