宮村優子、エヴァ「アスカ」への深い愛を生披露 子育てにも自分を重ねて「『ごめん、また無理させるわ』って」
声優の宮村優子が10日、東京・新宿バルト9で、アニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のブルーレイ・DVD発売記念イベントに登壇した。エヴァパイロットの式波・アスカ・ラングレー役を務めた宮村は、反ネルフ組織「ヴィレ」の一員である北上ミドリ役を務めた伊瀬茉莉也とともに、スペシャルゲストトークを展開した。この2人の組み合わせによるトークは、シリーズで初めて。質問コーナーも設けられ、大いに盛り上がった。
名ぜりふ「裏コード999」生披露に拍手 伊瀬茉莉也は「やっと初めて、生アスカを聞けました」と感動
声優の宮村優子が10日、東京・新宿バルト9で、アニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のブルーレイ・DVD発売記念イベントに登壇した。エヴァパイロットの式波・アスカ・ラングレー役を務めた宮村は、反ネルフ組織「ヴィレ」の一員である北上ミドリ役を務めた伊瀬茉莉也とともに、スペシャルゲストトークを展開した。この2人の組み合わせによるトークは、シリーズで初めて。質問コーナーも設けられ、大いに盛り上がった。(取材・文=吉原知也)
今回、『シン・エヴァンゲリオン劇場版 EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME』のパッケージ化にあたり、新作特典映像が収録。“まだ見ぬストーリー”として、ファンの間で大きな注目を集めている。2人は『:Q』の前日譚を描いた「EVANGELION:3.0(-46h)」に出演。重要な役どころを演じた。坂本真綾演じる真希波・マリ・イラストリアス役も登場した。この新作映像は、映画館で初上映となった。
また、新作映像はもう1つあり、「EVANGELION:3.0(-120min.)」。宮村演じるアスカに加え、マリも登場。この新作映像は、シンエヴァ公開時の21年6月に入場者プレゼントで配布された公式冊子の描き下ろし漫画がモーションコミック化された。
今回の“新作”は、シンエヴァ公開後に新たに収録された。宮村は「あの(入場者プレゼントの)薄い本にあった漫画に声を付けるんだ、ミドリちゃんの過去が明かされて、こんなことがあったんだと、すごくびっくりしました」と、新たに収録をすることを聞かされた時の心境を明かした。
さらにアフレコ時の様子について秘話を次々と明かす。「漫画自体がエモい、尊い。(『Q』におけるUS作戦で)シンジを拾いに行くというのは、いつかはということはあったんでしょうけど、日々のヴィレの仕事に従事し、ボスのミサトさんから言われたことをこなし、作戦の前の心情になるのはやばいなと思いながら読んでいました。それを演じる時は、うれしくもあり、自分の中で、ようやくこの時が来たなというアスカの気持ち。複雑なんですけどね、うれしくもあり、ぶん殴ってやりたい気持ち、でも一度会いたいというか…。たぶん皆さんの心の中の気持ちと同じだったと思います。マリには心を開いているような隠しているような。でも信頼はしているんですけど。その中で、やっぱり『こっちでいく』と自分の中で決めて、アスカの覚悟というか、大人の部分と言うか、もうエモっ! 作者天才ですか、と思いました」と実感を込めた。
シンエヴァの一番好きなシーンを聞かれると、宮村は「私はですね、このシーンに尽きるんですけど、レーションをシンジの口の中に突っ込むシーンが好きです。台本をもらった時から、この空白の14年から、『Q』で窓ガラスを殴るところから、シンジに一番言いたかった気持ちをぶちまけさせてくれているので、好きなシーンですね」と答えた。さらにアスカへの思いが募ったようで、「言い過ぎているというところも自分で分かっているんだけど、もう抑えられないんですよ、あれは」。アスカの心情を代弁した。
好きなせりふの場面では、“生アフレコ”のサプライズが。「私はアスカちゃんが戦っているシーンが好きなんですよね。13号機を目の前にして言うせりふで、『新2、また無理をさせるわ』と言うシーンです。私もいつも仕事とか子育てとか自分に無理をさせている時に、『ごめん、また無理させるわ』って言いながらやっています」と明かした。そして、ファンにとって感激の名ぜりふ「裏コード999」を力強い声で、情感たっぷりに披露した。ファンが集まった会場は拍手喝采となった。宮村と伊瀬はアフレコでは一緒に収録することはなかったといい、伊瀬は「やっと初めて、生アスカを聞けました」と感動していた。
また、これまで数多くの仕様の2号機が登場したが、宮村は「マリちゃんが乗っているビーストモードの2号機」が好きだということも。貴重なトーク満載で、「アスカは頑張り屋さんで、いつもギリギリで自分がなんとかしよう、と頑張っちゃう。もうちょっと、いい加減、楽に生きたらいいのになあ、でもそれができないアスカが好きです、という感じです」と、深い深いキャラクター愛を語った。
宮村は最後のあいさつで、「こんなに長い間エヴァンゲリオンに関わらせていただいて、終わっても、空白の14年の中の話をまたこうやって演じることができて、幸せです。皆さんも『他にもどんなことがあったんだろう』と思って愛していただいて、もしかしたら何かの気まぐれで、別の空白の14年もあるのかなと思います。これからもエヴァンゲリオンを愛してください」と情感を込めた。
1995年のテレビシリーズ放送で社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。2007年からは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再始動し、『:序』『:破』(09年)『:Q』(12年)の3作が相次いで封切り。21年3月8日公開のシンエヴァは新劇場版シリーズ4部作の完結編で、興行収入は100億円を突破した。
MCは野呂陽菜が務めた。