「趣味シーシャ」「歴代彼氏は経営者」 瀧山あかねが“女子アナらしさ”を捨てた理由
「ABEMA」初代専属アナウンサーの瀧山あかねは“アナウンサーとは思えぬ”ぶっちゃけ発言の数々で注目を集めている。「趣味はシーシャ」「歴代彼氏は経営者ばかり」「目標年収は4桁」……。ありのままを発信することで人気を博す瀧山だが、現在のキャラクターが形成されるまでには大きな葛藤があった。
ぶっちゃけ発言で批判の声もなんのその「私はそういう人間」
「ABEMA」初代専属アナウンサーの瀧山あかねは“アナウンサーとは思えぬ”ぶっちゃけ発言の数々で注目を集めている。「趣味はシーシャ」「歴代彼氏は経営者ばかり」「目標年収は4桁」……。ありのままを発信することで人気を博す瀧山だが、現在のキャラクターが形成されるまでには大きな葛藤があった。(取材・文=中村彰洋)
2011年、17歳のときにNMB48の2期生オーディションに合格。アイドルとして活動するも合格からわずか1年ほどたった12年1月15日にグループを卒業。その後は大学進学し、アナウンサーの夢へまい進する4年間の学生生活を過ごした。
しかし、迎えた就職活動で突きつけられたキー局全落ちという現実。「どうしよう」と悩んでいたときに見つけたのが、ABEMA専属アナの募集だった。「東京のアナウンサーとしてはラストチャンスでした」と当時を振り返る。
そして、無事にABEMA専属アナの枠を勝ち取ったが、ここからが苦悩の始まりだった。
アナウンサーへの夢を抱いたのは小学生のとき。朝の情報番組を見て「こういうお姉さんになりたい」と憧れた。そのため、アナウンサーになった当初の理想はいわゆる“正統派”だった。
「最初は報道や情報番組をやりたいと思っていました。情報を伝える『ヒルナンデス!』のような番組を担当したかったのですが、入社早々に私は報道や情報番組向きのアナウンサーではないことを自覚しました(笑)」
瀧山は自分を客観視することで、自分の長所を伸ばしたほうがいいと分析した。「老若男女が見るニュース番組と考えたとき、私よりも柔らかい雰囲気のアナウンサーが伝える情報のほうが視聴者の方々には伝わりやすいのではないかと思いました。自分を客観視したら、スポーツやバラエティーの方が、もしかしたら活躍できるかもと考えました」。
今でこそ徐々に“アナウンサーらしくない”キャラが定着しているが、入社当初は「アナウンサーとはこうあるべきだ」という理想像を演じ続けていた。しかし、3年目に転機は訪れた。
「ABEMAに迷惑がかからないようにと常に考えていました。先輩の西澤(由夏)さんが私の目標だったので、『西澤さんのようになるにはどうしたらいいか』を出演番組を見ては、トークの返し方などを勉強していました。そんなある日、上司から『西澤と同じアナウンサーが生まれてもあまり面白くないんじゃない?』というアドバイスをもらいました。『瀧山のいいところは西澤とは全然違う部分』と。そこから自分にしかない部分で頑張ろうと意識が変わりました」
自身のキャラを分析「女の子に嫌われちゃう女の子だって自覚しています(笑)」
殻を破った瀧山の発言は周囲を驚かせるものばかり。「趣味はシーシャ」「歴代彼氏は経営者ばかり」「目標年収は4桁」など、いずれも“アナウンサーとはこうあるべき”からは、かけ離れたものだった。まるで“盛っている”かのようなトークだが「地元に帰っても周りから『そのままだよね』って言われるぐらい、私はそういう人間」と“本性”をさらけ出している。
キャラ変以降が仕事へ好影響をもたらした。「型にはまったアナウンサーでいようと意識していましたが、得意ではなかったみたいです。それよりも、台本外のところで番組をどうやって楽しくするか考える方が私にはもしかしたら向いているのかもと。これに気づけたのは、等身大の自分で仕事に打ち込んだからでした」。
また、飾らない姿をさらけ出すことでありのままの自分を表現できた。「すごく仕事がしやすくなりました。以前は、自分のアナウンサーに向いていないであろう部分を『どうやって隠せばいいんだろう』と、常にボロが出ないように意識していました。私の本当の姿に気づいている人からは、『すごい猫かぶってるよね』と言われてました(笑)。ありのままで仕事をするようになり、意外にも視聴者の方にも面白いと思ってもらえて、共演者さまからも食いついていただけて、楽しんで仕事もできるようになりました」。
入社当初はキー局に全落ちしたことで大きな葛藤を抱いていた。しかし、今となってはキー局では表現できなかったであろう瀧山の魅力を伝えることができている。
「最近、両親からも『ABEMAに入社して本当に良かったね』と言われました。いつか“陽キャ”な本性がバレて、なにかで会社に迷惑をかけるかもしれないと思っていましたが、ABEMAがこんなに受け入れてくれていることは本当にありがたいです」
ぶっちゃけ発言をすることで注目を集める一方で、否定的な声も届いている。
「批判も多いですね。昔から万人受けしないですし、特に同性からは好かれないタイプでした(笑)。女の子に嫌われちゃう女の子だって自覚しています(笑)。アンチも増えて辛辣(しんらつ)なコメントも目に入りますが、メンタルは強い方なのかもしれません。昔は弱かったですが、社会人になり、仕事に集中するようになって、気づいたら強くなりました」
ABEMAでは番組を見ながら視聴者がリアルタイムでコメントすることが可能となっている。入社当初は「1つ1つのコメントをすごく気にしていて、落ち込んで泣いたときもありました」と振り返る。「アナウンス技術が伴ってないことを視聴者さまに指摘されるのは、仕方ないと思います。そうではない自分のキャラや人間性で言われる分には、『でもそれが私だしな』って消化できるんですけどね……」。
SNSでは“あざとさ全開”な投稿を続けている。「私のSNSのフォロワーさまは98%が男性です。私の強みなので、伸ばすと決めています」と笑う。
5年目にしてABEMAアナの認知度上昇を肌で感じている。2022年はABEMAとしても大きく成長を遂げた1年だった。
「本当にキー局に負けないぐらい、ABEMA自体が規模も質も成長しました。そこにアナウンサーもどれだけ成長を続けられるかが大事です。ABEMAアナウンサーの質を高め続けられるかというのが今の目標です」
ぶっちゃけ発言の飾らない姿を武器に注目を集めた瀧山。“アナウンサーらしくない”アナウンサーがABEMAで旋風を巻き起こす。
□瀧山あかね(たきやま・あかね)1994年5月10日、兵庫県・尼崎市出身。2011年にNMB48の2期生として加入。12年1月15日に卒業。在学中の14年からはタレント活動を再開。18年4月にABEMA専属キャスターに就任。現在は『ぜにいたち』や競輪・ボート番組などさまざまなジャンルの番組に出演中。目標のアナウンサー像は鷲見玲奈。