武藤敬司、最後の記者会見で明かした“ヒーローの美学”「レスラーは超人。明日は内藤をぶちのめす」

武藤敬司の引退試合「chocoZAP presents KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE~HOLD OUT~」(21日午後4時~、ABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生中継)の記者会見が20日、東京ドームホテルで行われた。

会見に登場した武藤敬司(左)と内藤哲也
会見に登場した武藤敬司(左)と内藤哲也

内藤、満身創痍の武藤へ「オレが美味しく料理してあげる」

 武藤敬司の引退試合「chocoZAP presents KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE~HOLD OUT~」(21日午後4時~、ABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生中継)の記者会見が20日、東京ドームホテルで行われた。

 前日から熱く盛り上がった。メインイベントで武藤の引退試合の相手を務める内藤哲也は「いよいよ明日に迫った武藤敬司選手の引退試合、オレをプロレスに熱中させてくれた選手の引退試合ということで少し寂しい気持ちはありますが、いまプロレス界の先頭を走る人間と、引退する人間の差を見せつけた上での“完封勝利”。これが理想だと思うし、それを見せつけることこそ、俺をプロレスに熱中させてくれた武藤選手への最高の恩返しだと思うので、明日は遠慮なく“完封勝利”を狙ってリングに立ちたいと思います。そして、武藤選手の望み通り、リング上で白く灰になっていただきますよ。きっと明日はオレにとって忘れることのできない一日になることでしょう、ワクワクしてる俺自身に言いたい、まさに“トランキーロ、あっせんなよ!”ってね」と堂々と勝利宣言した。

 一方、ラストマッチを目前に控え武藤は、「現役としてこれが最後の記者会見ということで非常に感慨深いものがあります」と切り出すと、1月22日の試合にて両脚のハムストリングを怪我し全治6週間の診断を受けていたことを明かし、「それからまだ4週間しかたってないんだよな。ただ、ある意味レスラーっていうのは、ヒーローじゃなきゃいけない、スーパーマンじゃなきゃいけないということで、オレもプロレスラーですから、超人的なところをみせなきゃいけない中で、もう大丈夫です。多くのファンの人、いろいろ愚痴ったり泣き言を言ったり、心配もかけたかもしれませんけど、明日は内藤選手を思いっきりぶちのめしてみせますので、どうかよろしくお願いいたします」と決意を口にした。

 内藤は武藤への思いを回想。「武藤敬司選手から引退試合の相手として指名されて名前を呼ばれたとき、ものすごく嬉しかったですよ。きっと名前を呼ばれたのは初めてなんじゃないですかね、団体も違うしほとんどしゃべったこともないですし。俺は名前呼ばれて嬉しかったっすよ」と素直な気持ちを表しつつも、「最高の作品を残すための相手として、武藤選手はオレのことを指名してくれたと思いますが、オレには残念ながらそのつもりはない。だって、今プロレス界の先頭を走る人間とプロレス界を引退する人間。引退する人間に最高の作品が作れるのであれば、引退する必要はないじゃないかとオレは思うんでね」と強気な姿勢を貫いた。そして、「どんなに痛くても、はいつくばってリングにきてくださいよ。リングに来てくれたらオレが美味しく料理してあげるんで」と挑発も忘れなかった。

 これに武藤は、ここまでの引退ロードを「当初は1月22日までは非常に心地よく、まわりが盛り上げてくれることに対し、レスラー冥利に尽きるなと感じていたけれど、怪我してからは追い込まれていく自分を感じていて」と振り返ると、「38年間のプロレス人生の中で非常に追い込まれた1か月でしたね。そのストレスを明日すべてぶつけて解放されたいと思っています」と、続けた。

 奇しくもこの日は故・アントニオ猪木さんの誕生日で、その翌日に引退を迎えることについては「猪木さんには一度も褒められたことがないからね、最後マスターズに呼んだときも怒られたりして……」としつつも、「たぶん、きっと明日もあの世から“お前派手にしすぎるんじゃねぇのか”って怒ってる気がします」と思いをはせた。

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