W杯解説でトルシエ氏とコンビ復活のダバディ氏、「老けた」に反論 「違和感がある」ワケ
サッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエ氏の通訳兼アシスタントだったフローラン・ダバディ氏が12日、ENCOUNT編集部の取材に応じ、「20年たっても忘れずにいてくれてありがとう」と話した。トルシエ氏は2002年のワールドカップ(W杯)日韓共催大会の日本代表を指揮。ダバディ氏もベンチに入っていた。このフランス人コンビが10日、カタール大会準々決勝フランスーイングランドを生中継したABEMAの番組にスタジオ出演。フランスからリモート出演したトルシエ氏のフランス語をダバディ氏が訳し、視聴者に伝えると、ネット上では「懐かしさの極み」の声が上がっていたが、「老けたな」の声には異論を口にした。
日本代表には「大きな実績」と評価、決勝進出は「アルゼンチンとフランス」と予想
サッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエ氏の通訳兼アシスタントだったフローラン・ダバディ氏が12日、ENCOUNT編集部の取材に応じ、「20年たっても忘れずにいてくれてありがとう」と話した。トルシエ氏は2002年のワールドカップ(W杯)日韓共催大会の日本代表を指揮。ダバディ氏もベンチに入っていた。このフランス人コンビが10日、カタール大会準々決勝フランスーイングランドを生中継したABEMAの番組にスタジオ出演。フランスからリモート出演したトルシエ氏のフランス語をダバディ氏が訳し、視聴者に伝えると、ネット上では「懐かしさの極み」の声が上がっていたが、「老けたな」の声には異論を口にした。(取材、文=ENCOUNT編集部ディレクター・柳田通斉)
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反響は、ダバディ氏の耳にも届いていた。
「多くの方々が覚えてくれていて、うれしかったです。スタジオの(テレビ朝日)林美沙希アナウンサーは、2002年は12歳だったそうですが、私たちの姿が印象的だったようです。当時の子どもたちが今の代表選手になっていますし、いろんな意味で感慨深い仕事でした」
ダバディ氏によると、トルシエ氏もスタジオ出演の予定だったが、両ひざの手術を受けることになり、来日できなかったという。その状況下、トルシエ氏がカタール大会に向けてインタビューを複数受け、日本にいるダバディ氏がリモートで通訳する業務も担当していた。
「フィリップとは2002年以降も連絡を取り合い、さまざまな仕事もしてきました。ただ、こうした生出演はなかったですね。放送前にはしっかりと打ち合わせもしましたし、リモートのディレイも感じなかったので、うまくできたかと思います」
20年の時を経て、トルシエ氏は67歳、ダバディ氏は48歳。ネット上では「2人とも老けたな」の声も上がったが、ダバディ氏は異論を持っていた。
「日本ではある程度の年齢になると、『おじさん、おばさん』と呼ばれたり、自虐的に言ったりしますが、海外ではそんなことはありません。男女問わず、仕事の成功や歩む人生の影響で、30代より40代、40代より50代の方が輝くという価値観が存在するからです。トルシエさんも20年前より魅力的ですし、優しさとオーラをあります。私だって、ルックス(体型)もキャリアも20年前より充実しています。なので、私たちが醸し出しているカリスマを感じずに、ちょっとした(シワや白髪)で『老けたね』と言われるのは、違和感がありますね」
その上で、ダバディ氏は愛する日本代表については、「ベスト8は逃しましたが、1次リーグのスペイン、ドイツに勝ったジャイアントキリングは大きな実績」と評価。これによって、日本でのサッカー熱が高まり、サッカーを始める子どもたちが増えることを願った。そして、アルゼンチン―クロアチア、フランス―モロッコの組み合わせになった準決勝については、アルゼンチン、フランスが勝ち上がると予想した。
「延長、PKでここまで来たクロアチア、アフリカ勢初のベスト8以上を実現したモロッコもガソリンが切れる頃です。先制点を取って、守り切る展開にならない限り難しいと感じています」
ダバディ氏は現在、スポーツジャーナリストとしても活動しているが、幼少期からのサッカーマニア。今大会、トルシエ氏と再出演の予定は組まれていないが、今大会は3位決定戦も含めて残り4試合を完全視聴の予定でいる。
□フローラン・ダバディ 1974年11月1日,パリ生まれ。パリのINALCO(国立東洋言語文化学院)日本語学科で学び、在学中に静岡大に留学。卒業後の98年秋に来日し、映画雑誌「プレミア」の編集部で勤務。W杯フランス大会で出会ったスポーツ新聞記者の紹介で、サッカー日本代表フィリップ・トルシエ監督の通訳およびパーソナル・アシスタントに就任。フランス語、日本語、韓国語、英語、スペイン語などを操り、2002年W杯後も日本を拠点に、スポーツ番組のキャスターや、フランス大使館のスポーツ・文化イベントの制作に関わっている。