青木真也、格闘技界で流行する“エキシビ”を斬る「ぶっちゃけ格闘技より難しい」

アジア最大の総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」が開催する格闘技イベント「ONE 163」(ABEMAでPPV配信)は19日、シンガポール・インドア・スタジアムで行われる。ザイード・イザガクマエフ(ロシア・ダゲスタン)と対戦する第2代、6代ONE世界ライト級王者・青木真也(Evolve MMA)が計量前日の17日、現地でENCOUNTの取材に応じた。今年の格闘技界のトレンドだった“エキシビションマッチ”について自身の見解を明かした。

独占取材に応じた青木真也【写真:ENCOUNT編集部】
独占取材に応じた青木真也【写真:ENCOUNT編集部】

19日、ザイード・イザガクマエフと対戦

 アジア最大の総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」が開催する格闘技イベント「ONE 163」(ABEMAでPPV配信)は19日、シンガポール・インドア・スタジアムで行われる。ザイード・イザガクマエフ(ロシア・ダゲスタン)と対戦する第2代、6代ONE世界ライト級王者・青木真也(Evolve MMA)が計量前日の17日、現地でENCOUNTの取材に応じた。今年の格闘技界のトレンドだった“エキシビションマッチ”について自身の見解を明かした。(取材・文=島田将斗)

 日本では朝倉未来―フロイド・メイウェザーのビッグエキシビションマッチが盛り上がった。タイでは“ムエタイのレジェンド”ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)が元K-1ファイターの佐藤嘉洋を1R・KO。海外でもYouTuberがリングに上がる機会が増えた。“エキシビションマッチ”はエンターテインメントなのか本気でやるものかも含め賛否が分かれた。

 この件を青木に尋ねると、「やられたやつが悪い」と即答。さらに「シバター―久保優太もそうだけれど、あれをおかしいって言ったら理屈あわなくなっちゃうじゃん。エキシビションだったのに『これ約束破った』って言っちゃった瞬間に成り立たなくなる」と苦虫をかみつぶしたような顔をした。

 その上で「だからあれはやる側も何かがあるっていう緊張感がなくちゃダメですよ。やられたやつが悪いです。エキシビションっていう流れはあれをどんどんやっていくと、飽きられます。その場しのぎであり、何かを創ってるわけじゃないので」と一刀両断した。

 出る気はないのだろうか。「ONE」だけでなく「PRIDE」「DREAM」と日本の格闘技シーンをけん引してきたレジェンドがいつかドリームマッチをする姿にも期待はかかる。青木はまゆをひそめながら口を開いた。

「出てもいいけれど、ぶっちゃけ格闘技やるよりも難しい。格闘技やるよりエキシビションの方が難しいよ。勝敗という“勝負論”っていうスパイスを使ってないから。勝負論がないエキシビションでお互いどう見せるのかっていうのは難しいよね」

 13日(日本時間14日)には皇治がメイウェザーの“秘蔵っ子”ジャハン・イングラム(米国)とドバイでエキシビションマッチを行った。完全アウェイの会場でも日本にいるときと変わらずメイウェザーをあおる姿が脚光を浴びた。

 そんな皇治について青木は「大したもんですよあいつは」と大きくうなずく。

「田中宏治(皇治の本名)は田中宏治っていうルールを作っているし、すごい優秀な子。ファイターとしてでなく、人としての器の問題だからあれは。器がでかい。結局やっていることは自分のコミュニティーを作っていることだから」

 青木の口調が熱を帯びた。「カッコつけていて、あいまいなことしか言ってないけれど、丁寧に(自分)近いところから良い環境にすることを遠くにもやっている。だから俺は田中宏治を信頼しているんですよ。ちゃんと信頼関係あって、向こうもバカにしてるし、こっちもバカにしてる。『田中宏治って本当に強かったの?』ってそれをメディアで言えるかどうかは信頼関係がないとできないんですよ。ここまではやっていいよっていう線をお互い持っているので」と満足そうだった。

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