【RIZIN】三浦孝太は「かわいそうだと思う」 DEEP代表が言及「彼のマッチメークは難しい」

「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(31日、さいたまスーパーアリーナ)が目前に迫ってきた。同大会では、世界の精鋭8名による女子スーパーアトム級WORLD GPが開幕する。ほかにもいくつか注目のカードが行われるが、朝倉兄弟や那須川天心といったエース級のファイターによる試合が組まれていないなかで開催されるRIZIN。そこで20年以上、格闘技の団体を主催し、RIZINのブレーンの一人でもあるDEEPの佐伯繁代表を直撃。大会の見どころを聞いた。

KINGカズの次男・三浦孝太は「RIZIN.37」の第11試合に登場する【写真:ENCOUNT編集部】
KINGカズの次男・三浦孝太は「RIZIN.37」の第11試合に登場する【写真:ENCOUNT編集部】

YUSHIはエンタメ路線

「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(31日、さいたまスーパーアリーナ)が目前に迫ってきた。同大会では、世界の精鋭8名による女子スーパーアトム級WORLD GPが開幕する。ほかにもいくつか注目のカードが行われるが、朝倉兄弟や那須川天心といったエース級のファイターによる試合が組まれていないなかで開催されるRIZIN。そこで20年以上、格闘技の団体を主催し、RIZINのブレーンの一人でもあるDEEPの佐伯繁代表を直撃。大会の見どころを聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

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「RIZIN.37」では、第1試合でYUSHIが登場。覇留樹選手との一戦が行われる。YUSHIといえば、昨年大みそかにKINGカズこと三浦和義の次男・三浦孝太を相手にRIZINデビューを飾ったものの、三浦のサッカーボールキックでKO負けを喫した。

「あれはエンターテインメント路線ですよね。YUSHI選手とかは。違うものとして考えないといけないと思うんですよね。だからRIZINっていう舞台の中で考えると、また違う枠のものじゃないですか、実際には」

 珍しく佐伯代表が厳しい見解を示した。確かに実力的にはまだまだではあるものの、入場を含め、それなりの話題を集めているYUSHIだが、佐伯代表としては、圧倒的に実力が足りないと見ている。

「じゃあ、彼はウチのフューチャーキングの連中とやって勝てると思わないです。ハッキリ言わせてもらうと」

 この後、佐伯代表は「+WEED presents RIZIN LANDMARK vol.3」(2022年5月6日、開催場所非公開)で行われた、YUSHI―ZENKIの試合を例に出しながら、その思いを口にした。

「この間、ZENKI選手が試合前日の計量でオーバーしましたよね。あれ、SNSでもいろいろと書かれてたみたいですけど、俺はそこはなんとも思わないんですね。だって今までずっと(ZENKIは)地下格闘技で闘い、久々に試合をするってなった時に計量オーバーするかもしれないですよね。プロでやってないから」

「RIZIN.37」の第1試合に登場するYUSHI【写真:ENCOUNT編集部】
「RIZIN.37」の第1試合に登場するYUSHI【写真:ENCOUNT編集部】

三浦孝太の扱いは難しい

 要は、そこにオファーをした時点で、RIZINとしても、そういったプロとして最低限の条件をクリアできない場合もあるものとして考えるべきだったという物言いである。

「そうだと思いますよ。そうなることもわかった上で組んだんじゃないのかって。そういう選手にオファーしているわけだから。そこは厳しい目で見ていますよ。やっぱり今、いろんな団体があって、ウチとパンクラスにしても、地下格闘技にしても、競技陣もレギュレーションもみんな違うと思うんですよ。いつ計量をするか、ルール的にどこまでなら許せるのか、とか。だからこの路線でYUSHI選手がどこまでやっていくのか。今後はちゃんとした競技の中に入ってやっていくのか。そこがまだ見えてないですよね。本人的にもどこまでやる気があるのかも分からないからね。ただ、そういうポジションにいるわけだから、それはそれでいいんじゃないですか?」

「RIZIN.37」では三浦孝太が昨年の大みそか以来、2度目の試合を行うことになっているが、佐伯代表としては、三浦に対しても、YUSHIと似たような思いを持っている。

「やっぱりあれだけ名前が先行してしまって、実際には元々扱いが違うわけじゃないですか。さっきも言いましたけど、彼がウチのフューチャーキングの選手とやれるのか。そこはすごく難しくないですか? 申し訳ないけど、彼と同じくらいのレベルの選手はいくらでもいますよ。でも、それをRIZINで組んで、彼が負けましたでいいのかっていうこともあると思うから、すごく彼のマッチメークは難しいですよね」

 そして佐伯代表は三浦に対して、決定的ともいえるひと言を発した。

「こういう言い方はどうなのかわからないけど、かわいそうですよね。僕はかわいそうだと思います。彼の置かれている立場や背負っているものを考えるとね。すごく大変だと思いますよね」

「観る側」という第三者が存在するプロの世界。ましてや格闘技という強さを争う世界において、自分の存在感をどう示していくか。

 少なくとも佐伯代表の言葉は、格闘技関係者なら誰もが持っているもの。もちろん、三浦にもYUSHIにもそれなりに言い分はあるだろうが、その言い分が耳を傾けるのに値するかどうかは、それ相応の結果を出していくしかない。そんな気がする。

所英男は神龍誠に親父狩りされてしまうのか【写真:ENCOUNT編集部】
所英男は神龍誠に親父狩りされてしまうのか【写真:ENCOUNT編集部】

所英男は神龍誠に親父狩りされてしまうのか

 さて、佐伯代表の話を進めていこう。「RIZIN.37」では全15試合中、第13試合に組まれたカードがある。所英男VS神龍誠のフライ級戦である。

「興味本位なのは所英男VS神龍誠ですね。これはどうなるのかなって思いますよね。所選手がフライ級に下げて、実質、今フライ級のトップである神龍選手とどこまでやるんだってことになった結果、相手が所選手になったと思うんですよ」
  
 しかも佐伯代表いわく、「神龍選手はUFCを目指しているので、今後、RIZINに継続参戦するつもりじゃないんですよ。ただ単に、今回は所戦のオファーがあったので、UFCに現実、まだ契約まで行けていない。だから今回はやりますっていうモードなので、実際には」という背景を持ったマッチメイクである。

 佐伯代表は言う。

「そういう意味では所選手が…。今までここだっていう時には力を見せつけてきたじゃないですか。それが神龍選手に通用するかですよね」

 ちなみに、6月24日に行われた、所、神龍両者出席の上での会見では、神龍は「親父狩りをしにきた」と宣言していた。

「まあ、これね。彼が去年、10月に復帰した時に、ちょっとブランクが空いていて、今回、5月の試合から、結構いいペースなので、ちょっと穴がないと思いますよ、神龍選手は」

 となると、神龍の宣言通り、所は親父狩りをされてしまうのか。

「ただ、神龍選手は一本勝ちが少ない選手なので、そういう意味では、神龍選手が(寝業で)漬けるところを、所選手は動けるタイプなので、もしかしたら展開は早くなるかもしれないですね。そう考えるとテーマ的にはすごく興味がある試合ですよね」
 
 そう言って、佐伯代表目線で今回の「RIZIN.37」の見どころを語ってもらったが、今回は朝倉兄弟や天心、堀口恭司といった、ここ数年、必ずRIZINのメインカードを独占してきた選手の名前がない。

「それだけじゃなく、(朝倉未来を絞め落とした)クレベル・コイケ選手や(朝倉海に勝って、昨年のバンタム級GPに優勝した)扇久保博正選手も出ていないじゃないですか。だから主要メンバーは出てないけど、いないなかではバランスの取れた大会にしたと思いますね。今回のRIZINは面白いですよ。この流れから、その先につながっていくと思いますよね。だけど、今回も全体的にウチの選手ばかりだね」

 最後はそう言って豪快に笑った佐伯代表。となると昨今、時折行われてきた「DEEP祭り」がまた「RIZIN.37」でも行われるのか。結果は見てのお楽しみだが、もしも祭りであるならば、夏らしくド派手なKO勝ちか、爽快な一本勝ちのオンパレードを望みたいところだ。

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