【RIZIN】年末は朝倉未来が牛久vsクレベルの勝者と対戦か DEEP・佐伯代表が大予想

今現在、「9月に日本で」とだけ情報が公開されている、フロイド・メイウェザーVS朝倉未来戦。エキシビションマッチながら3分3Rのボクシングルール、との噂も飛び交っている。今年は「THE MATCH2022」(6月19日、東京ドーム)も開催され、ファン待望の那須川天心VS武尊も実現したが、続くように格闘技界ではビッグマッチが続く。これに関して20年以上、格闘技界で団体を率いてきたDEEPの佐伯繁代表に聞いた。

開催場所と日時に関しての発表が秒読みといわれるメイウェザーVS朝倉未来【写真:(C)RIZIN FF】
開催場所と日時に関しての発表が秒読みといわれるメイウェザーVS朝倉未来【写真:(C)RIZIN FF】

未来がダウンでも取ったらすごい

 今現在、「9月に日本で」とだけ情報が公開されている、フロイド・メイウェザーVS朝倉未来戦。エキシビションマッチながら3分3Rのボクシングルール、との噂も飛び交っている。今年は「THE MATCH2022」(6月19日、東京ドーム)も開催され、ファン待望の那須川天心VS武尊も実現したが、続くように格闘技界ではビッグマッチが続く。これに関して20年以上、格闘技界で団体を率いてきたDEEPの佐伯繁代表に聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

「未来選手だったらやってくれるんじゃないですか。そんな気がしちゃいますね」

 DEEPの佐伯代表にメイウェザーVS未来戦の話を振ると、間髪入れずにそんな答えが返ってきた。

 その理由を佐伯代表は「未来選手がやられているイメージがないから」と話した。

「(未来選手が)打撃で打たれてダウンするとか、そういう場面を見たことがないからね。体格的に天心選手の時と違うしね、全然」

 佐伯代表の言う「天心選手の時」とは、2018年の大みそかに実現した、メイウェザーVS天心によるエキシビションマッチを指す。

 この時は、10キロ以上の体重差があり、かつ事実上のボクシングルールという、天心にとってはまったく不利な状況にありながら、果敢にメイウェザーに向かっていった天心が1RでKO負けを喫したが、エキシビションマッチという非公式試合のため、公式記録には残っていない。

「あれから時間も経っているでしょ。だから、何か未来選手が爪痕を残すんじゃないですか」

 たしかに体格的に考えても、未来であれば、天心よりは体重差の面でもカバーが効くのはその通りだろう。

「(未来選手が)ダウンでも奪ったら凄いんじゃないですか。そしたら向こうも必死になると思うし。未来選手なら何かやってくれるんじゃないかと思う」

 最後の公式戦から約5年が経っているとはいえ、メイウェザーはプロボクシングにおいて、前人未到の無敗での5階級制覇を成し遂げただけに、未来戦が実現するだけでも驚天動地の話だが、もし未来がダウンを取るようなことがあれば、その衝撃度はMAXに跳ね上がる。しかしながらその前に最大の問題、いや、難関が存在している。

 果たして試合当日のリングに、メイウェザーが本当に上がるのか、である。

「それはありますね、それをいうなら前回(天心戦)もそうじゃないですか。そこは榊原(信行=RIZINCEO)さんマジックですよ。来るかわからない人を呼んでいるんだから。試合当日になって『六本木を出たらしいよ』とか言っているんですよね(笑)。そんな賭けできないですよ、普通は」

20年以上、DEEPという格闘技団体を主催してきた佐伯繁代表
20年以上、DEEPという格闘技団体を主催してきた佐伯繁代表

年末は牛久VSクレベルの勝者と朝倉未来でのタイトル戦が実現か

 実際にどうなるのかは試合当日のお楽しみだが、それはそれとして話を進めると、RIZINにおいて未来が主戦場とする階級にフェザー級がある。現在、同階級の王者は牛久絢太郎が君臨しており、次回の防衛戦はどうなるのか。その点に注目が集まっている。

「牛久選手の相手はクレベル・コイケ選手で決まりでしょうね。近いうち、実現するんじゃないかな。しかも未来選手がメイウェザーとやるんだから、普通に考えたら、牛久VSクレベルに勝ったほうに、未来選手が挑戦するタイトルマッチが年末じゃないですか?」

 佐伯代表の言葉が示す通り、流れはズバリそんな状況にある気がする。しかもフェザー級といえば、さまざまなファイターが群雄割拠し、毎大会、しのぎを削るような試合が展開されている。年頭の方針では、フェザー級の精鋭によるジャパンGPなり、ワールドGPの開催も検討されていたが、少なくとも今年に関しては回避された。

「年末に誰が頂点に立っているか。それによって来年の方針が決まるんじゃないですか。誰がチャンピオンなのかが決まれば、みんな若手も含めてトーナメント(GP)をやって、その場合はチャンピオンだけハズすとかね。そういうことも全然あるんじゃないですか?」

 そういった話を聞くと、今後のRIZINをますます注目せざるを得なくなるが、今年はRIZINのリング上とは別に、「THE MATCH」という天心VS武尊による「世紀の一戦」も行われた。当日の東京ドームには5万6千399人(主催者発表)の大観衆が押し寄せ、ゲート収入やPPVの収益を合わせると、50億円の売り上げが立ったともいわれている。

 ならば、佐伯代表から「THE MATCH」はどう見えたのか。

「天心VS武尊って、終わってみればもちろん盛り上がりは最後に来たと思うんですけど、ひとつ時期がズレたのかなと思う部分があって。(2021年12月24日に)発表した時から半年間あったから、ちょっと中だるみしたところもあったじゃないですか、実際には。でも最後のほうは盛り上がってきたし、誰もがこのカードが行われるのかって、信じられなかったじゃないですか。そういう空気感がありましたよね。見ていいのかって」

 たしかに天心VS武尊には、結果を知りたい反面、それ以上に知ってはいけないような“怖いもの見たさ”にも似たものが存在した。

 ともあれ、実際、佐伯代表は天心VS武尊をどこで見たのか。

「僕はずっと裏にいたんですけど、その試合だけはアリーナに行きましたね。その試合だけはスタッフもみんなアリーナにいましたしね。不思議な感じでしたよ」

「THE MATCH2」をやりましょう、はダメ

 そして「世紀の一戦」と呼ばれた試合を終えた今、佐伯代表は改めて実感したことを口にする。 

「結果的には榊原さんが凄いんだなって感じたのと、実現したタイミングですよね。これ、天心選手がボクシングに行くんじゃなくて、まだまだキックを引っ張っていく立場で、武尊選手もキックをまだまだバリバリにやっていく時代にやっていたらまた、違ったのかなあって、プロモーター目線で言うと。お互いが次にやることが決まっている中で、もちろん、武尊選手はまだわからないっていうんですけど、集大成で『(現役)最後のほうになってきた』って言っている段階で組まれたっていうのが、ちょっと残念だったっていう。お互い強いんだけど、もっとお互いが現役を続けるバリバリの時に組まれたら、もっと緊張感があったんじゃないですか?」

 たしかに天心VS武尊は、天心が武尊への対戦表明を行ってから、実に7年間の時間を経ての実現となった。

「だけど、それはここまでK-1の鎖国があったから、こういうことが実現したと思う。過去(2000年代)にK-1とPRIDEが対抗戦をやったことがあったけど、途中から、どっちの選手かわからなくなったことがあったんですよね。だから『THE MATCH』がよかったから『THE MATCH2』をやりましょう、はダメなんですよね。やるのはやってもいいだろうけど、同じような空気感を出すことは難しいでしょうね」

 そこで佐伯代表は、そうならないための策を提案する。

「例えば10年に1回とかね。4年に1回だと早いからね、実際には。それと本当は、その試合だったり対抗戦に負けたら、負けたことを背負ってチームがその後に苦しむくらいだと緊張感は生まれますよね。興行主は嫌ですよ、もちろん」

 すでに次なる天心VS武尊を実現すべく、格闘技界はそれぞれあらたな道を進み始めている。もちろん9月に実現するメイウェザーVS未来が、「世紀の一戦」後に訪れる最初の山になることは間違いない。

次のページへ (2/2) 【写真】佐伯代表がメイウェザーVS朝倉未来について言及する実際の動画
1 2
あなたの“気になる”を教えてください