松坂慶子、NHK「一橋桐子の犯罪日記」で主演 “ムショ活”に取り組む70代演じる

女優の松坂慶子が、NHK土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」(10月スタート、午後10時)で主演を務めることが発表された。

松坂慶子が土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」で主演を務める【写真:(C)NHK】
松坂慶子が土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」で主演を務める【写真:(C)NHK】

親友を亡くした孤独から、終の住みかを“刑務所”へと設定する役どころ

 女優の松坂慶子が、NHK土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」(10月スタート、午後10時)で主演を務めることが発表された。

 松坂が演じる主人公・一橋桐子(ひとつばしきりこ)は、哀しみの淵に立っていた。年金とバイト暮らしの生活も楽ではない中、唯一の希望であった親友が病で亡くなり、毎日が突然、空虚な日々。このままだと自分は孤独死してしまうのでは――生きていくことの困難さが、桐子の心を絞り上げていく。そんなときにテレビで見た、ある逮捕者の供述「楽になるため刑務所に入りたかった」。その一言に心奪われた桐子は、終(つい)の住みかを“刑務所”へと設定。「できるだけ人に迷惑をかけずに捕まる道」を模索し始める。

 原作は、原田ひ香の人気小説。一見、身につまされる高齢者犯罪の物語ではあるが、“ムショ活”に真剣に取り組むうちに新たな発見や出会いを得て、皮肉にも主人公の生活は生き生きと変化していく。高齢者の孤独や、生活の厳しさを背景としながら、同時に“人生の生きがいとは何か”“人と人との結びつきの大切さ”を浮き彫りにする物語でもある。

「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の脚本家・ふじきみつ彦が、一橋桐子の世界をユーモアたっぷりに描く。“何歳からでも、人生は生き直せる”“あなたも、誰かにとっての大切な人かもしれない”――スリリングな“犯罪ドラマ”のはずなのに、切なくも笑えて、なぜか心があったまる、終活生・桐子の青春グラフィティーだ。

 松坂慶子のコメントは以下の通り。

「最初にタイトルを聞いたとき、『犯罪日記』というとちょっと怖い物語なのかしら? と思ったのですが、台本を読ませて頂いたら、とっても面白くて。主人公の桐子さんは、一橋桐子というお名前のとおり本当に素敵な方。天涯孤独な70代なんだけれども、日々の生活を慈しみながら暮らしていて、草木などから季節を感じたり、自分の気持ちを俳句にしたためたりする。そんな素敵な桐子さんが、親友が亡くなったことで心が弱ってしまい、ひょんなことから刑務所に行きたいとまで思うように……。本当に切ないことですし、どうすれば救われるのか。難しい問題ですが、ドラマを通して向き合いながら過ごしている最中です。

 桐子さんは刑務所に行こうとすることで、今までになかった新しい経験、そして面白い人達に出会うんですね。私のお仕事も、作品ごとに新しい土地に行って、新しい人と出会い、そして終わる頃には、自分の中の幅が少し広がっていたりと、まるで旅のように感じることがあるんです。だから、桐子さんを分身のように感じるところもあって、自分の中にある体験の箱をあけながら、日々演じております。私も万葉集を趣味にしていたりするので、そんなところも共通点があってうれしいです。

 一人じゃ何もできないと思っていた桐子さんが、さまざまな人と出会って、新たな扉を次々と開いていく。人間って面白いなと思えるドラマです。そして、観ていただいた方に『人生って楽しく生きられるのかもな』って、そんな風に思っていただけたらうれしいです」

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