なぜ天心―武尊に海外PPVがなかったのか 榊原氏が明かした2つの理由とは
格闘技イベント「RIZIN」が24日、都内で会見を行い、「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(7月31日・さいたまスーパーアリーナ)の対戦カード発表を行った。試合後、榊原信行CEOが「THE MATCH 2022」の海外PPVがなかった理由を明かした。
「THE MATCH 2022」のPPVは驚異の50万件以上
格闘技イベント「RIZIN」が24日、都内で会見を行い、「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(7月31日・さいたまスーパーアリーナ)の対戦カード発表を行った。試合後、榊原信行CEOが「THE MATCH 2022」の海外PPVがなかった理由を明かした。
アンダーカードではRISE、K-1対抗戦が、メインでは那須川天心―武尊が行われた「THE MATCH 2022」。東京ドームには5万6399人を動員し、全試合を完全生中継したABEMA PPVの売り上げは驚異の50万件以上を記録していた。
国内では大きな盛り上がりを見せていたが、海外でPPVは売られず視聴手段がなかった。なぜか。実行委員として関わっていた榊原CEOが裏側を口にする。
「僕らもいろんな海外プラットフォームに声をかけました。事実として、驚くほど軽い階級のキックボクシングに対して世界的な需要がないんです。それと圧倒的に大きいのは時差です」
米国の格闘技団体「Bellator」を日本に取り入れた話も出しながら説明。「日本に持ってきたときも日本時間の午後0時開始で午後3時ちょっと前にエメリヤーエンコ・ヒョードルが出てくる」。
「THE MATCH 2022」は日本人待望のイベントだった。「日本のマーケットをベースに考えると午後7時以降、午後8時とかにメインを持ってくると想定します。そうすると北米はもう夜中ですから。PPVの軸足、マーケットをどこに定めてやるのか。日本の時間をベースに考えたときに、キックボクシングであることとその中でも階級が軽いということ。また時差の問題。『海外のPPVでこれだったらいける!』という風に思ってもらえるところがなかったのが現実です」と打ち明けた。
それでも反響はあったようだ。「『やっておけば良かった』という海外プラットフォームからの声は大きいです。イベントというか大会全体のスケール感で、年間を通して世界中の格闘技興業のなかでNo.1になれるんじゃないですかね」とうなずく。UFCのダナ・ホワイト代表も「ぶったまげていた」と笑った。
次なる課題も口にした。「日本のマーケットは世界第2位のマーケットだと思います。これだけの市場があるのだから、それを力に変えて、どう世界に発信するのか」。
9月に行われる朝倉未来―フロイド・メイウェザーも地上波放送はない。新たな動画配信サービス「RIZIN FIGHT PASS」もリリースした。“脱地上波”へ舵を切った「RIZIN」の今後の動きに目が離せない。