自衛官芸人・やす子「SMAは無法地帯」 事務所を選んだ理由は「すぐに入れると」

ロケにひな壇、トーク番組と今やさまざまなフィールドで活躍するやす子。驚くことに現在も即応予備自衛官の身だ。今やテレビで見ない日はない23歳の素顔や芸人になるまでの道のりについて話を聞いた。

片付けが苦手と明かしたやす子【写真:ENCOUNT編集部】
片付けが苦手と明かしたやす子【写真:ENCOUNT編集部】

2017年に陸上自衛隊に入隊、現在も即応予備自衛官の身

 ロケにひな壇、トーク番組と今やさまざまなフィールドで活躍するやす子。驚くことに現在も即応予備自衛官の身だ。今やテレビで見ない日はない23歳の素顔や芸人になるまでの道のりについて話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

 高校卒業後の2017年に陸上自衛隊に入隊した。

「交通小隊といって、道路を作る部隊にいて、朝から晩までブルドーザーに乗っていました。結構やらかしていて、山の中で薄暗い朝に点呼があるときには、自分の周りを見渡すと全然違う部隊に並んでいたりとか、怒られるタイプだったんです」

 あるバラエティー番組では、自身の汚部屋が話題になった。それは自衛隊時代も同じ、忘却のかなたにあった記憶を引き出す。「特に自分は周りよりもできなかったので、つらかった。ロッカーの中が整理整頓できなかったりとか、靴を磨けなかったり、毎日かけなければいけない服のアイロンが雑だったりとかです」と苦々しく笑う。

 さらに続ける。「とにかく片付けが記憶のあるときからずっと苦手。汚いって思われてるんですけれど、自分はどこにあるか分かっているのでいいじゃないか! と思います。でも、あの部屋のなかでイヤホンが8個くらいなくなっています。汚い方が落ち着くし、いつでも片付けられるって気持ちがあるから一向に片付けてはいないです」と現在の部屋について言及した。

 自衛官といえば、“実弾”を使った演習もある。一般人ではなかなかできない経験を「音とかが怖かった」とやす子らしく振り返った。

「基本教練で絶対にみんな打たないといけなくて、最初は同期(100人くらいの女性隊員)とやるんですけれど、音とかが怖くて、自分は最後までちゃんと打てなかった。自分の狙ったところに当たる感覚とか息を止めるとか。銃も自分の体の一部になる感覚が楽しかったです」

 自衛隊は集団生活。日本のために働く自衛官たちは常に規則正しい生活を実践している。一見するとつらそうではあるが、やす子の場合は違った。

「自衛隊にいて良かったことが集団生活。人が常にいるので話す人はいましたし、ご飯はタダだし、電気代とか家賃がかからない。一生、自衛隊にいると思っていました。だんだん仲良くなるとみんな仲間になるし、仕事を覚えてきたら褒められる。自分に合っているなと思いました」

 順風満帆に思えた自衛隊生活。入隊から2年がたったころに「ひとりになりたい」と思うようになった。

「自分は言われたことをやるだけがすごく楽だった。自分は人と関わる仕事をしたくなかったので、なるべく人と関わらないで済むようなアルバイトを選んでいました」

“元自衛官”という肩書が多く、即応予備自衛官とはあまり紹介されない。芸人として働いているものの日本の災害や有事の際には、招集命令に応じて活動することになっている。

「コロナで1年以上訓練に参加できていないんですが、駐屯地に月に1度ほど行っていました。部隊がしている訓練に途中参加するんです。ブランクがあるとついていけるのか心配だったんですが、やっぱり命令がかかると体が勝手に動きますね。今も大事な収録のときのアラームは“起床ラッパ”にしています」

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