東京女子プロレスを土台からひっくり返す ハイパーミサヲが仮面の中に秘めた熱い思い
「東京女子プロレスの愛と平和を守るニューヒーロー」ハイパーミサヲが、東京女子のため、愛する団体を土台からひっくり返す。5月3日、東京・後楽園ホール大会で、プリンセス・オブ・プリンセス(プリプリ)王者・中島翔子に挑戦するミサヲは「私が頂点に立てば、ベルトに挑戦することをためらっている下の子たちもチャレンジしやすくなるのでは」と、ミサヲなりのやり方で東京女子の活性化を目指すというのだ。
ミサヲなりのやり方で東京女子の活性化を目指す
「東京女子プロレスの愛と平和を守るニューヒーロー」ハイパーミサヲが、東京女子のため、愛する団体を土台からひっくり返す。5月3日、東京・後楽園ホール大会で、プリンセス・オブ・プリンセス(プリプリ)王者・中島翔子に挑戦するミサヲは「私が頂点に立てば、ベルトに挑戦することをためらっている下の子たちもチャレンジしやすくなるのでは」と、ミサヲなりのやり方で東京女子の活性化を目指すというのだ。
東京女子のトップを担うプリプリ王座は、現10代王者の中島が第6代に続いて2度目の戴冠を果たしている。前王者の山下実優が初代、第5代、第9代と3回保持。坂崎ユカが第3代、第7代と2回、優宇、才木冷佳、辰巳リカの3人が1回と、2016年初めの王座誕生から7年目で、6人の王者が誕生している。
多くの王者が誕生するのが是か? 王座の重みに相応しい王者が是か? 一概には言えないが、ベルトを巡る争いが固定化してしまうのは、ミサヲの指摘通りかも知れない。
東京女子もメンバーが増え、底上げも著しい。ただ、トップ戦線で競い合っている層と、最前線に立つにはあと一歩の層では、厳しいようだがラインが存在している気もする。目に見えないヒエラルキー(階層)にあらがうでもなく、安住してしまっているレスラーもいるかも知れない。ミサヲは団体を盛り上げたいという選手全員の一体感が、東京女子の魅力であることを承知の上で「一度、すべてをぶち壊したい」と意気込む。
中島とミサヲは毎年恒例の“イッテンヨン後楽園”で3年連続3度もシングルマッチで対決。うち20年と21年はお互いのリングネームも懸けあった。またタッグ“享楽共鳴”(きょうらくきょうめい)を結成し、プリンセスタッグ王座にも挑戦するなど、両者は「特別な関係」と言えよう。
「中島さんとは組んでいて、楽しいし、おもしろい。練習の虫だし、本当にプロレスが大好き。あの人といるといろいろと勉強になる」と称える。
ミサヲの戦法は長いマイクパフォーマンスからの奇襲が特徴的。「もちろんそれは勝つためにやっていること。相手を揺さぶり翻弄することで、勝機が生まれる」と説明してみせたばかりか「自分でも強くなっているという手ごたえがある」と胸を張る。
「こういうスタイルの私だから、男子と特別ルールの試合をするチャンスをもらえた」というのは今年3月19日、両国国技館大会での高木三四郎とのシングルマッチだ。エニウェアフォール・ルールで会場を所狭しと暴れまわり、炭酸ガス攻撃にもめげず、高木から貴重な勝利をもぎ取ったことが自信の裏付けになっている。
「ほかの選手にはない私の強味を生かすことができたし、とても貴重な経験だった」と振り返り、「あの一戦と同じように中島さんとのタイトルマッチも私自身がワクワク、ドキドキしているし、ファンの人たちもワクワク、ドキドキしてほしい」と享楽共鳴らしさあふれる明るく・楽しく・激しい闘いを約束した。
「東京女子の土壌は素晴らしい。私がここまでこられたのだから、間違いない。でも、もっともっと、みんなで大きくなっていきたい。だからこそ、こんな私がチャンピオンになることで、みんなに意識改革を起こしたい。ファンの皆さんにもアッと驚いてほしい」
ミサヲがベルトを巻けば、起爆剤、劇薬になるのは間違いない。そして他の選手を刺激し、大きなうねりを巻き起こす。その時の化学反応は想像を超えたものになる。その野望が実現したときの東京女子プロレスを見てみたくなった。