【ちむどんどん】父・賢三が急逝 演じる大森南朋「いつも家族を見守っていると思います」
俳優・大森南朋がこのほど、ヒロインの父・比嘉賢三を演じるNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土曜、午前8時)について、演じる役への思いや劇中に唄三線を弾きながら沖縄民謡を歌うシーン、比嘉家について語った。
ヒロイン・比嘉暢子の父・賢三を熱演 沖縄の伝統楽器である唄三線を愛する設定
俳優・大森南朋がこのほど、ヒロインの父・比嘉賢三を演じるNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土曜、午前8時)について、演じる役への思いや劇中に唄三線を弾きながら沖縄民謡を歌うシーン、比嘉家について語った。
「苦労人でもある賢三は、昔かたぎで筋の通った人。まさに昭和のお父さんという感じなので、心の中には『ブレない父親でいたい』という気持ちがあるのではないかと思っています。ただやっぱり人間ですから、何かしらのブレは必ず生まれるはず。そんな細かな感情を、お芝居で表現していければと。普段はあまり役作りをしないんです。でも今回はセリフが沖縄ことばかつ、沖縄の伝統楽器である唄三線を愛するという役どころでしたので、4カ月くらい練習を重ねてから撮影に臨みました」
劇中で唄三線を弾きながら沖縄民謡を歌うシーンがある。
「もともと沖縄民謡が好きでよく聴いていたので、演じていてもなじみ深かったですし、練習を含めて楽しい時間でした。ただ、三線を弾きながら歌うのには、結構苦労しました。お芝居の最後に弾くシーンは本当にドキドキして、なかなかうまくできなくて。特に『唐船(とうしん)ドーイ』という物語のキーになる曲が、速弾きなのもあり一番難しかったです。撮影ではご迷惑をおかけしまして……。何度もやり直していたら、(子役の)歌子(布施愛織)が『頑張れお父ちゃん!』って応援してくれました(笑)。そんなプレッシャーもありながら、比嘉家のみんなと演じるうちに賢三という役が出来上がっていったと思います」
比嘉家についても言及。
「とてもいい家族です。劇中の比嘉家と現場での僕らにも全く温度差がなくて。それくらい撮影中の空気もよかったですし、演じるにあたっても子どもたちが雰囲気を作ってくれました。わんぱくな賢秀(浅川大治)にしっかり者の良子(土屋希乃)、ハキハキした暢子(稲垣来泉)、かわいらしい歌子(布施愛織)と、それぞれキャラクターも立っていますね。なかでも家族でご飯を食べるシーンは、誰かが悩んでいたら話を聞いたり、ときにはお父ちゃんがたしなめることもあったりと、平和でいいなとしみじみしました。食卓を囲みながら『こうした時間がまさに“幸せ”というものなんだ』と、優子さん(仲間由紀恵)と賢三が子どもたちに伝えているような感覚もあります。賢三と優子さんは苦労してきた背景があるぶん、平和に対する思いや平凡な幸せを求める気持ちが、そんな日常のシーンでもかいま見えるのかなと感じます。子役時代の良子と歌子を見ていると、優子さんによく似ているなと思います。賢秀と暢子は賢三似なのかな? なかでも暢子は、いい意味で頑固というか、筋を通すところが賢三に似ています。一緒に料理をするシーンを演じていても互いに響き合うものがありましたし。そんな子どもたちがどう成長していくのか、いまから楽しみです。賢三は早くに亡くなってしまいますが、いつも家族を見守っていると思いますし、子どもたちにはそれぞれの夢に向かってまっすぐ育ち、幸せになってほしいと願うばかりです」