進学校ではダンス部 日芸を中退し女優業に専念する21歳 3つの新人賞はめぐり合わせ

2021年公開の「サマーフィルムにのって」(松本壮史監督)、「由宇子の天秤」(春本雄二郎監督)で3つの新人賞を受賞し、大注目の女優・河合優実(21)。「女子高生に殺されたい」(公開中、城定秀夫監督)では、“自分”殺害計画を立てる主人公(田中圭)を囲む女子高生・あおいを演じた。

「女子高生に殺されたい」では女子高生・あおいを演じた河合優実【写真:荒川祐史】
「女子高生に殺されたい」では女子高生・あおいを演じた河合優実【写真:荒川祐史】

河合優実インタビュー、映画「女子高生に殺されたい」で女子高生役

 2021年公開の「サマーフィルムにのって」(松本壮史監督)、「由宇子の天秤」(春本雄二郎監督)で3つの新人賞を受賞し、大注目の女優・河合優実(21)。「女子高生に殺されたい」(公開中、城定秀夫監督)では、“自分”殺害計画を立てる主人公(田中圭)を囲む女子高生・あおいを演じた。(取材・文=平辻哲也)

 時代劇オタクの女子高生(伊藤万理華)が映画制作に挑む「サマーフィルムにのって」では、ヒロインの幼なじみ役、フリーのテレビジャーナリスト(瀧内公美)が公私のモラルで葛藤する「由宇子の天秤」(春本雄二郎監督)では、主人公の父に妊娠させられた女子高生を好演。第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第35回高崎映画祭最優秀新人俳優賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞に輝いた。

「賞はうれしかったです。ただ、まったく眼中にはなかったというか、ひっかかるのか、どうかも思いつかないくらい予想外でした。だから、もらえるのかなというドキドキもなかったですね。たまたま自分が出てきた映画が昨年公開されて、めぐり合わせがよかったのかなと思います」

 幼少期から絵を描くことが好きで、国立、私学のトップクラス大学の合格者も多い都立国際高校に進み、所属したダンス部では、表現の面白さに目覚めた。高校3年だった2019年に、「女優になりたい」と思い立ち、自ら芸能事務所を探して、所属に。女優業をしながら、日本大学芸術学部演劇学科に籍を置いたが、昨年、女優業に専念するため中退した。自分の道は自分で決めていく、思いっきりの良さがあるようだ。

「すごく優柔不断で、決めるまではいろいろ時間かかるんですけど、突然決まるというか、決まってしまうと、すぐに体が動くんです。ウジウジと考えていた分、急に方向転換するみたいな感じです。人に相談しないですね。アドバイスをしてくれても、聞かないかも。周りの人は、『あれだけ、いろんなことを言っていたのに、そっち?』と思っているかもしれないですね」

 2020年には「喜劇 愛妻物語」、「佐々木、イン、マイマイン」に出演。今年の公開作では、東京国際映画祭観客賞を受賞した池松壮亮&伊藤沙莉主演の「ちょっと思い出しただけ」(松居大悟監督)で主要キャスト、「愛なのに」(城定秀夫監督)では、瀬戸康史演じる古本屋の店主に思いを寄せる高校生を演じた。

 出演映画にハズレなしといった印象だが、どんなふうに役を選んできたのか。「基本的には、事務所の方が探してきてくれたオーディションを受けています。『佐々木、イン、マイマイン』は友達が教えてくれて、事務所に『これを受けてもいいですか』と聞きました。確かにバジェットは大きくないけども、みなさんに見てもらえている作品が続いているなぁとは思います。すごい運がいいというか、まったく予想していなかった。めぐり合わせがよかったんでしょうか」。

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