【愛車拝見】11年前に購入の愛車が5億5000万円に高騰 「お互い代理人を立てて…」知られざる高級車の取引
開業医の佐藤優さん(66)は、貴重なフェラーリF40、F50を所有している。F50は直近のオークションで5億5000万円の値がつくなど価格が高騰。「もう歳なので、いつか手放さなきゃいけない」と思いつつも、行く末を含めて超お宝車の処遇に頭を悩ませている。そもそもF50はどのように手に入れたのだろうか。
「店頭に並ぶわけじゃないんですよ」
開業医の佐藤優さん(66)は、貴重なフェラーリF40、F50を所有している。F50は直近のオークションで5億5000万円の値がつくなど価格が高騰。「もう歳なので、いつか手放さなきゃいけない」と思いつつも、行く末を含めて超お宝車の処遇に頭を悩ませている。そもそもF50はどのように手に入れたのだろうか。(取材・文=水沼一夫)
佐藤さんが中古でF50を購入したのは、11年前のことだった。中古車は店舗やインターネットを介して取引するイメージが一般的だが、「店頭に並ぶわけじゃないんですよ」と希少なスーパーカーにはあてはまらない。前オーナーは世界的に有名なフェラーリコレクターで、フェラーリ美術館の館長だった自動車収集家の松田芳穂さんだった。
当時、佐藤さんがF50を探すにあたり、こだわったのはボディーカラーのジアッロモデナ(黄色)だった。
「黄色のF50は、当時日本に4台あって、どれも高くはなかったんですけど、ほとんど事故車でもう間違いないのは松田さんのだけだった。松田さんのが欲しいなと思いました」。松田さんの車は「松田コレクション」として高い評価があった。
互いに面識ある関係だったとはいえ、世界に名だたる松田さんが大切にしている車だ。どのようにアプローチしたのだろうか。
「松田さんに僕が連絡するわけでもなく、お互いに代理を立てるんです。松田さんと僕はフェラーリ・クラブ・オブ・ジャパンなどで知り合いだったので、『あの佐藤か?』『あれなら売っていいわ』みたいな話が水面下で進んで、最後は代理人同士がOKとなりました」