野球未経験の高橋優が“応援ソング”でファンの心を動かすワケ「歌もある意味スポーツ」
シンガーソングライターの高橋優が通算26作目となるシングル「HIGH FIVE」を配信リリースした。昨年放送されたドキュメンタリー番組「侍たちの栄光~野球日本代表 金メダルへの8か月~」(NHK BS1、2021年12月4日放送)のテーマソングとして書き下ろした楽曲。硬派なイメージを想像しがちなスポーツという側面に、優しさや人間臭さといった高橋ならではの視点で光を照らした。そこにはデビューから12年経とうが何ら変わらない大切にしてきたものが詰め込まれている。
最新曲「HIGH FIVE」から見えた12年目の高橋優
シンガーソングライターの高橋優が通算26作目となるシングル「HIGH FIVE」を配信リリースした。昨年放送されたドキュメンタリー番組「侍たちの栄光~野球日本代表 金メダルへの8か月~」(NHK BS1、2021年12月4日放送)のテーマソングとして書き下ろした楽曲。硬派なイメージを想像しがちなスポーツという側面に、優しさや人間臭さといった高橋ならではの視点で光を照らした。そこにはデビューから12年経とうが何ら変わらない大切にしてきたものが詰め込まれている。(取材・文=福嶋剛)
「侍ジャパン」と彼らを応援するすべての人の叫びや祈りにも似たドラマチックなコーラスで始まる新曲「HIGH FIVE」。ハイタッチを意味するタイトルが付けられた歌を聞くだけで「侍ジャパン」の戦う姿が映像となってよみがえってくる。稲葉篤紀監督(現・北海道日本ハムファイターズ・ゼネラルマネージャー)率いる個性あふれる24人の選手たちが東京五輪で金メダルを獲得するまでの記録を目の当たりにした高橋は楽曲の方向性を次のように考えたという。
「今回番組のテーマ曲を作って欲しいと依頼をいただき、さっそく番組映像を見ながら『こんなすごい戦いをした人たちに僕の音楽をどう添えたらいのかな?』って考えたんです。野球で成した人たちの栄光という視点よりも、その成し遂げるまでの道のりを描くのはどうかと。きっと全部が全部、光に満ち溢れている道なんてことはない。そこから言葉やメロディーを探して行きました」
高橋はこれまでも野球に関連する楽曲を発表している。「未だ見ぬ星座」(2015年、DeNAベイスターズ公式ドキュメンタリー主題歌)、「虹」(2017年、ABC夏の高校野球応援ソング、熱闘甲子園テーマソング)、「プライド」(2018年、NHK Eテレアニメ「メジャーセカンド」エンディング曲、映画「侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~」主題歌)、そして今回の「HIGH FIVE」。
ところが彼は野球好きではあるが、野球経験者ではない。本人も「あまり野球に詳しくないんですが」と前置きしながらスポーツのテーマソングを作る上で大切にしていることを明かしてくれた。
「確かにスポーツに関わる歌を依頼されることは多いのですが、その時に意識しているのは、個人的に歌もある意味で一個のスポーツだと思っているんです。フィジカルだけでどうにかなるものでもないし、もちろんメンタルだけで歌が上手くなる話でもない。どちらもバランスが整ってこその歌なんですよね。つまりそれは野球や他のスポーツにも通じるところじゃないのかなって。そんな想像をしながら書いてきたところがあるんです」