【週末は女子プロレス#40】現役アイドルのプロレス両立 SKE48荒井優希、タッグマッチに燃える
昨年5月4日、アイドルグループ「SKE48」の現役メンバー荒井優希がプロレスデビュー。その反響は大きく、コロナ禍による無観客で開催された後楽園ホールには普段プロレスを扱わないメディアも多数取材に駆けつけ、東京女子プロレスの知名度は一気に上昇。しかも、1試合のみという、いわゆる芸能人の“プロレス体験”ではなく、その後もリングに上がり続ける正真正銘のプロレスラーデビューだった。現在もアイドル活動とプロレスを並行、しっかり両立させているばかりか、年末にはプロレス大賞の新人賞を受賞。その活躍ぶりは、想像以上だ。
昨年5月4日にプロレスデビュー、年末にはプロレス大賞新人賞を受賞
昨年5月4日、アイドルグループ「SKE48」の現役メンバー荒井優希がプロレスデビュー。その反響は大きく、コロナ禍による無観客で開催された後楽園ホールには普段プロレスを扱わないメディアも多数取材に駆けつけ、東京女子プロレスの知名度は一気に上昇。しかも、1試合のみという、いわゆる芸能人の“プロレス体験”ではなく、その後もリングに上がり続ける正真正銘のプロレスラーデビューだった。現在もアイドル活動とプロレスを並行、しっかり両立させているばかりか、年末にはプロレス大賞の新人賞を受賞。その活躍ぶりは、想像以上だ。
とはいえ、当初は昨年いっぱいでプロレス活動を終了する予定だった。ところが、10月9日の大田区総合体育館大会で、女子プロ界のレジェンド、アジャコングとタッグマッチで対戦、惨敗を喫するもアジャからの容赦ない攻撃、プロレスの洗礼がかえって荒井の中途半端に終われないという気持ちに火をつけた。試合後、プロレス続行の意思表示を示したのである。
「ここでアジャさんからいただいた言葉とか、実際に感じたパワーとかがすごい記憶に残ってます。アジャさんとはまた試合がしたいけど、欠場に入ってしまうとのことなので、ここで私がやめちゃうと次がないじゃないですか。続けていればいつかまたできると思うので、プロレスを続けたい、もっと頑張りたいと思える試合になりましたね」
プロレスラー荒井優希はここまでシングルマッチ7試合(2勝5敗)を含み、さまざまな試合を経験している。先月には懐かしの芸能人水泳大会をほうふつとさせるようなプールプロレスも体験したばかり。数えてみれば正式デビュー以来、ここまで29試合をこなしてきた。それはすなわち、初めてタイトルマッチに挑戦する3・19両国国技館での伊藤麻希戦が、節目の30試合目にもなるのである。
「え、そうなんですか!? そんなにやってたんですね。数えたことないです。最初の頃は必死すぎて覚えていないことが多いんですけど、やっぱりアジャさんとやったくらいからですかね、ちゃんと記憶に残るようになってきたのは。(プロレスを続けて)メンタルが強くなったなって思います。全然へこたれなくなりました(笑)」
では、荒井にとって得意な試合形式とはなんなのだろう? デビュー前はほとんどプロレスを知らなかっただけに、興味がある。
「確かにいろんな形式の試合をしてきましたね。好きな形式って、う~ん、なんだろう? プールはメッチャ楽しかったです(笑)。でも、私はタッグマッチが好きですね。やっぱり、試合中に1人じゃないと思えるのがすごく大きいです。声かけてもらったり、こっちから声をかけたり。あと、自分が負けちゃうとみんな(チーム)が負けるじゃないですか。そのプレッシャーとかもいい意味のプレッシャーで。相手には負けたくないとすごく思うし、近くに選手がいるとすごい刺激をもらえます。タッグを組んでる選手にも成長した姿を見せたいと思うのもありますね」
タッグマッチとはプロレスならではの形式だけに、やはり彼女はプロレスに向いているということか。そのうえ、タッグとはいかにもアイドルグループ出身者らしい発想でもある。シングルよりもグループで“歌い”“闘う”方が好き、ということだ。
「ああ、そうですね。私って、けっこうみんなといるのが好きなので(笑)」
また、彼女によるとSKE48と東京女子には大きな共通点があるという。これまで知らなかった運動センスに気づいたことや、人懐っこい性格もあるが、プロレスの世界にうまくアジャストできたのは、現在の女子プロ界の流れ、東京女子の雰囲気がうまく荒井にフィットしたからだろう。東京女子には同年代の選手が多く、団体の旗揚げメンバーのキャリアも、荒井が芸能界デビューしてからとほぼ同じなのだ。
「よく似ていると思います。両方とも女の子ばかりの環境で、個々にやることもあるけど仲間っていう感じとかもすごく似てるし、まったく別のことをやってるように見えるんですけど、自分的にはそんなに変わらないと思っているんですよね」