Jリーガーの道を断念、芸能界で「ヒーロー」の夢かなえる 俳優・樋口幸平が手にした好機
Jリーガーになる夢を断たれた男が、芸能界でビッグチャンスを得た。樋口幸平(21)。オーディションを突破し、スーパー戦隊シリーズ第46作目の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(3月6日スタート、テレビ朝日系にて日曜午前9時30分)でレッド役(ドンモモタロウ/桃井タロウ)を演じることになった。サッカーで挫折して故郷に戻る前、8社からスカウトされて人生は激変。俳優になると決めたとき、最初に立てた「ヒーローになる」という目標もかなえた。そして、特撮ヒーロー番組から、数々の人気俳優が出ていることを意識。この現場で芝居を磨き、憧れの先輩たちに続くつもりだ。
サッカーの道を断念し、思い出作りで訪れた東京で8社からスカウトされる
Jリーガーになる夢を断たれた男が、芸能界でビッグチャンスを得た。樋口幸平(21)。オーディションを突破し、スーパー戦隊シリーズ第46作目の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(3月6日スタート、テレビ朝日系にて日曜午前9時30分)でレッド役(ドンモモタロウ/桃井タロウ)を演じることになった。サッカーで挫折して故郷に戻る前、8社からスカウトされて人生は激変。俳優になると決めたとき、最初に立てた「ヒーローになる」という目標もかなえた。そして、特撮ヒーロー番組から、数々の人気俳優が出ていることを意識。この現場で芝居を磨き、憧れの先輩たちに続くつもりだ。(取材・文=西村綾乃)
樋口は、地元の強豪校、芦屋学園を卒業してJ3のSC相模原でプロ育成選手になるも、約7か月後にはクラブ関係者から「プロになることは難しい」と伝えられた。
「FWとしてチームのために頑張っていたんですが腰をケガしてしまって……。自分自身の実力不足もあって、プロは難しいと伝えられました。翌日は朝10時には起きて自宅にいたのですが、その後、午後4時頃までの記憶がないんです。きっと、戦意を喪失していたんでしょうね」
夢をかなえるために選んだいばらの道。高校卒業後、送り出してくれた父とは「1年間だけ、育成でやってみる。ダメだったら帰るから」と約束していた。
「四六時中、サッカーのことだけを考えて、生活ができたことは幸せでした。『プロ選手にはなれないけれど、コーチになる道もある』と言われて考えましたが、5歳から18歳まで『プロになる』と決めて打ち込んでいたので、父との約束通り、一度家に帰ることを決めました。2019年11月のことです。育成時代の息抜きと言えば、自炊のための食材を買いにスーパー行くことぐらい。(実家に)戻る前に思い出を作ろうと、貯めた20万円を持って東京に遊びに行きました」
新宿、渋谷、表参道を歩いた。身長186センチ、9頭身はスカウトマンの目をひき、瞬く間に8社から声を掛けられた。初めて「輝ける世界が別にあるのかも」と思い父に伝えると猛反対を受けたという。悩む樋口に対し「父は最終的には、お前が持っている“運”は、サッカーには味方をしてくれなかったけれど、芸能界に入るという“縁”をつないでくれたのかも」と背中を押してくれた。
父の言葉を胸に芸能界入りを決意した樋口。高身長を生かしてモデル活動を中心にドラマなどにも活躍の場を広げていき、オーディションで「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」のレッド役をつかみ取った。
「『絶対負けない!』と燃えていましたが、オーディションを受けているときはずっと不安でした。ゲンをかつぐために『カツ』を食べたり、最終的には神頼みで神社に行ったりもしました。『合格です』と言われたときは最初信じられず。でも気づいたらガッツポーズをしてました。本当にうれしかったです。特撮ドラマからは、偉大な先輩方を輩出していますし、一つの登竜門だと思っています。このような素晴らしい作品に出られることに今は感謝しかありません」