MMAデビュー3連勝の超新星 21歳宇佐美正パトリックが東京五輪落選から這い上がるまで
1月に開催された格闘技イベント「プロフェッショナル修斗2022 開幕戦」で、デビュー3戦目、21歳の宇佐美正パトリック(EXFIGHT/LDH martial arts)は1RKO勝利を収め、総合格闘技(MMA)3連勝を飾った。かつてボクシング選手として東京五輪での活躍を期待され、“ネクストシンボルアスリート”にも選ばれていた宇佐美。平安一路ではなかった歩みに迫った。
プロデビューから3戦3勝「負ける心配はいつもない」
1月に開催された格闘技イベント「プロフェッショナル修斗2022 開幕戦」で、デビュー3戦目、21歳の宇佐美正パトリック(EXFIGHT/LDH martial arts)は1RKO勝利を収め、総合格闘技(MMA)3連勝を飾った。かつてボクシング選手として東京五輪での活躍を期待され、“ネクストシンボルアスリート”にも選ばれていた宇佐美。平安一路ではなかった歩みに迫った。(取材・文=島田将斗)
冷静に自分を分析する。重く激しい打撃で魅せる“獰猛さ”とは対極的な印象だ。宇佐美は現状の課題について「寝技とかに穴がある。(同門の)中村倫也先輩のおかげでテイクダウンを取られないようになってきているが、自分的にはもっと磨いていき、グラウンドでも戦える選手になりたい。どこでも戦えるっていうのを自分で作りたいですね」と落ち着いていた。
連戦連勝すると、次戦の結果にプレッシャーも強くなる。しかし、宇佐美に限っては違う。「負ける心配はいつもなくて、やってきたことをいつも出すというのを目標にしている」と真っ直ぐに先を見据えている。一方で、慢心はない。「デビュー戦はテイクダウン取られたりとか、VTJでは判定勝ちになって、いろんな課題が見つかってきていた」と続けた。
「勝って兜の緒を締めよ」ということわざがあるが、21歳が見せたハングリー精神には格闘家としての未来を期待させるものがあった。
試合内容だけではない。“魅せる”ことも考えている。デビュー戦ではヨシ・イノウエ相手に強烈カーフキック、またMMAでは珍しく左ボディーでもん絶KOした。VTJでの2戦目では判定勝利という結果であったものの、野村駿太相手に強烈な左フックでダウンを奪うなど抜群の存在感だった。宇佐美は「圧倒的なKOでの完全決着を意識している」と今までの3戦を振り返った。