【週末は女子プロレス♯34】昨年末で活動終了 アクトレスガールズは女子プロレス界に何を残したのか

「女優によるプロレス」をコンセプトとしたアクトレスガールズが、昨年12月31日をもってプロレス団体としての活動を終了。2大ブランドであるBeginning(ビギニング)とColor's(カラーズ)が、解散した。

昨年12月31日をもって活動を終了したアクトレスガールズ【写真提供:山川隆一】
昨年12月31日をもって活動を終了したアクトレスガールズ【写真提供:山川隆一】

2015年の立ち上げから6年、昨年12月31日をもって活動終了

「女優によるプロレス」をコンセプトとしたアクトレスガールズが、昨年12月31日をもってプロレス団体としての活動を終了。2大ブランドであるBeginning(ビギニング)とColor’s(カラーズ)が、解散した。

 2015年5月のプレ旗揚げを経て9・6新木場で本格的にスタートしたアクトレスガールズは、もとはといえば既存の女子プロレスとは一線を画す新ジャンルとも言えた。が、リングで勝敗の付くプロレスの闘いを提供する以上、説得力を持たすためにも本来のプロレスとの接点を外すわけにはいかず、徐々に所属外レスラーを招聘(しょうへい)、他団体にも選手を送り出すなどプロレス界との交流も盛んになった。

 当初はなにかと偏見の目で見られていたものだが、「バカにされたくない」という選手たちの必死の努力も実り、いまでは主要団体のほとんどでアクトレス出身の選手たちが活躍するようにまでなっている。それは同時に、手塩にかけて育ててきた人材離脱の歴史でもあったのだが、考えてみれば、現在の女子プロ界において芸能界とのリンクは欠かせない。良くも悪くも芸能畑からの参入の方が、むしろ新人デビューの主流になっているのである。

 プロレス団体としては終了したものの、アクトレスガールズは「よりエンターテインメント性の高い公演」として継続されるとのこと。1月30日(日)には東京・新木場で新体制によるプレ公演をおこない、2月13日(日)には東京・新宿FACEで「アクトレスリング旗揚げ公演」を開催。また、8月12日(金)と12月29日(木)の後楽園ホールもすでに発表済みだ。新体制に参画したのは青野未来、茉莉、未依、入江綾乃、松井珠紗、澄川菜摘、夏葵らで、今後、彼女たちが女子団体に参戦することはないという。事実上、プロレス界からの撤退となるのだろう(青野はプロレス引退を否定している)。

 一方、アクトレスガールズからの退団はプロレス継続の意思表示でもある。女子プロ中心の活動を選んだのはビギニングの本間多恵、高瀬みゆき、関口翔、谷もも、向後桃、長谷川美子、三浦亜美、カラーズのSAKI、清水ひかり、網倉理奈、櫻井裕子(林亜佑美は芸能&プロレスとも引退)。大まかにはプロレス派と非プロレス派の分裂とも言えるのだが、気になるのはプロレス継続選手たちの今後である。

 谷は、準レギュラーとして参戦していたPURE-Jに入団。1・23亀有から「入団記念七番勝負」をスタートさせた。谷のタッグパートナーだった向後は1・8後楽園でスターダム参戦を直訴し、谷と同日の1・23大阪で初出場を果たすとともに、正規軍にあたるSTARS入りを果たしている。

 解散前の復帰かなった高瀬は、フリーとしてwave、ディアナなど様々な団体に参戦、欠場前の売れっ子状態をキープしている。他団体レギュラー出場の先駆けでもある関口はOZアカデミーをはじめ、PURE-J、YMZなどに参戦中だ。

 また、カラーズ勢は12・13後楽園で発表されたようにSAKIが中心となり清水、網倉、櫻井でユニットを結成、カラーズの名称をそのまま引き継ぎ、2・12新木場で自主興行を開催する。この4人は、フリーとしても様々な団体に参戦するようだ。

 負傷の本間、三浦については、欠場明けで具体的な方向性が明らかになるのだろう。

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