オミクロン軽視は禁物 コロナ診療の最前線に立つ感染症専門医からの緊急提言

全国で爆発的な感染拡大が進むオミクロン株。皮肉なことに、感染者の増加に伴いその特性も徐々に明らかになっている。埼玉医科大学総合医療センターでコロナ診療の最前線に立つ感染症専門医・岡秀昭教授に、新変異株の本当の恐ろしさと今後起こりうる3つのシナリオを聞いた。

埼玉医科大学・岡秀昭教授【写真:ENCOUNT編集部】
埼玉医科大学・岡秀昭教授【写真:ENCOUNT編集部】

感染力はデルタ株より5倍ほど強いという報告も

 全国で爆発的な感染拡大が進むオミクロン株。皮肉なことに、感染者の増加に伴いその特性も徐々に明らかになっている。埼玉医科大学総合医療センターでコロナ診療の最前線に立つ感染症専門医・岡秀昭教授に、新変異株の本当の恐ろしさと今後起こりうる3つのシナリオを聞いた。

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――現時点で分かっているオミクロン株の特性は。

「一言で言えば、桁外れに強い感染力を持ったインフルエンザです。感染力は従来より強いと言われたデルタ株より5倍ほど強いという報告もある。おおよそ水痘(みずぼうそう)のような空気感染を起こすウイルスに匹敵します。症状が出る前から感染させるコロナウイルスの特徴も合わせると感染の広がるスピードもかなり早いのです」

――重症化率は低いとの報告もある。

「低いといっても比較対象はデルタ株。デルタ株の半分程度、それでもインフルエンザよりは同程度以上と考えられています。重症化率が半分でも感染力が強いため、感染者数が3倍に増えてしまえば、結果的に第5波よりも多くの重症患者が出て医療ひっ迫が起こるのではということです」

――国内ではワクチン接種が進んでいるが、ワクチンの効果はどのくらい期待できるのか。

「既に報告されている研究結果では、2回目の接種から半年後には、オミクロン株からの感染自体を防ぐ効果はあまり期待できません。2回接種時点ではアルファ株で約90%、デルタ株で約70%の感染予防効果がありましたが、オミクロン株ではかなり低下しています。しかし3回目を打つことでオミクロン株でも70%くらいまで感染予防効果を戻すことができる。ただ、重症化を防ぐ効果は2回接種でもそれなりに残っています。ワクチン未接種者と2回のワクチン接種者の重症化率がどのくらいになるのか、それによって今後の展開が左右されます」

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