【カムカムエヴリバディ】オダギリジョー、朝ドラオファーに「悩みました」 出演決意の胸の内

俳優のオダギリジョーが、このほど大月錠一郎役で出演するNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜、午前8時)について、出演にあたって考えたことや役への思い、ヒロイン・るいを演じる深津絵里の印象を明かした。

大月錠一郎を演じるオダギリジョー【写真:(C)NHK】
大月錠一郎を演じるオダギリジョー【写真:(C)NHK】

朝ドラでヒロイン・るいの運命を動かす大月錠一郎を熱演

 俳優のオダギリジョーが、このほど大月錠一郎役で出演するNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜、午前8時)について、出演にあたって考えたことや役への思い、ヒロイン・るいを演じる深津絵里の印象を明かした。

「正直なことを言うと、“朝ドラ”はあまり見たことがなかったんですよ。自分との距離が遠いものだったので、お引き受けするかどうかすごく悩みました。やっぱり“朝ドラ”って朝の顔でもあり、NHKを代表する作品の一つですもんね。そこに自分が参加していいんだろうかという気がしていました。僕は夜中の作品の方がしっくりくるタイプだし(笑)。今までもインディーズや小さな作品に重きを置いて活動してきたので、“朝ドラ”は自分らしくないかなとだいぶ悩みました。ただ、脚本家の藤本さんが自分をイメージして書いてくれた役だと聞くと、役者冥利(みょうり)に尽きる光栄なことだとうれしかったし、求めてくれた以上のものをお返ししたいという気持ちに傾いていきました」

 演じる錠一郎は、最初はヒロイン・るいが働くクリーニング店に客として訪れ、つかみどころのない言動や行動でるいを戸惑わせるが、やがて、るいの運命を動かしていく人物。通称はジョーと呼ばれるトランペット奏者。

「僕は俳優として少しひねくれたタイプだと自覚していますが、あまり分かりやすい表現をしたくないタイプなんです(苦笑)。なのでNHKだから、“朝ドラ”だからと言って、丁寧で分かりやすい芝居をするのではなく、いつも通りの表現を心がけました。例えば、自分が演じるジョーは最初20代なんです。40代の自分が説明的に20代を演じようとするよりも、何歳であろうと人間が持つ感情や感覚的な部分を表現することを重視していました。あとはトランペットですね。ジョーにとって何よりも大切なトランペットがうそにならないように、とにかく練習を続けました。1日に6時間を超える日もありましたが、そうした時間の積み重ねが体に染み込み、芝居に影響していくものなので、妥協のない形でトランペットに向き合いました。準備さえできていれば、あとは現場で『なるようになるだろう』という感覚で挑みました」

 深津の印象にも言及した。

「深津さんは、すごく丁寧な方だと思います。作品に誠意を持っていて、真摯(しんし)に芝居に向き合っている姿が印象的です。台本に関して疑問があれば、深津さんと僕、演出担当やプロデューサーみんなで話し合う時間を持ちながら進めていますし、ひとつひとつ、適当には進めずに、慎重にもの作りをされる印象です。今までの仕事の選び方も、そういうことなんでしょうね。自分が納得できないものは引き受けないで、ちゃんと本気で向き合える作品だけを選んでいる。それは同業者として、心から信頼できるポイントですね。現場での深津さんはとにかく集中されていて、気軽に話しかけることはできない雰囲気があります。それは他者を威圧するものではなく、心地良い緊張感ですね。同時に、共演者もスタッフも深津さんに対して100%の安心感を持っていますし、深津さんを中心に『カムカムエヴリバディ』が転がっているのを強く感じます。スタッフもみんな愛情深く、温かい良いチームなんです。大阪の情がにじみ出ている愛すべきチームです。これだけ仲良く、家族のような関係がつくれているというのは、“朝ドラ”のチームだからなのかなっていう気はしていますね」

 最後に今後の抱負を語ってくれた。

「深津さんと僕が演じる、るいとジョーは(3代目のヒロイン)ひなたの人生にも関わっていく大切な役なので、丁寧に感情を紡ぐように心がけています。安子編もすばらしかったですが、るい編は大阪らしい明るさと、藤本さんの描く人生の機微を細やかに表現できれば良いなと思っています。るいとジョーの物語が後々ひなたに受け継がれ、ひなた編になった時に、また、あらためて、るいとジョーの若かりし日々や大阪での物語が愛おしく感じてもらえたらいいなと思いますし、ひなたを見ているだけで、若き日のるいとジョーを思い出せるような、そういう強い感情を残せる2人がつくれたらいいなと思います」

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