“元ウルトラマン”の市長がこだわるエンタメ街おこし「市民が楽しめる場が必要」

人口約4万人の福岡県中間市。元俳優、タレントの福田健次市長(61)は、エンターテインメントで市を活気づけようとしている。俳優仲間だった小沢仁志(59)が監督を務める映画作のロケ地となって全面協力、福岡県を拠点にするアイドルグループの「LinQ」をアンバサダーに起用し、市を舞台にしたアニメ制作も検討中だ。なぜ、エンタメにこだわるのか。その狙いと波乱万丈な歩みを聞いた。

福岡県中間市 元俳優・タレントの福田健次市長【写真:柳田通斉】
福岡県中間市 元俳優・タレントの福田健次市長【写真:柳田通斉】

「顔面凶器」小沢仁志が手掛ける映画作に全面協力

 人口約4万人の福岡県中間市。元俳優、タレントの福田健次市長(61)は、エンターテインメントで市を活気づけようとしている。俳優仲間だった小沢仁志(59)が監督を務める映画作のロケ地となって全面協力、福岡県を拠点にするアイドルグループの「LinQ」をアンバサダーに起用し、市を舞台にしたアニメ制作も検討中だ。なぜ、エンタメにこだわるのか。その狙いと波乱万丈な歩みを聞いた。(取材・文=柳田通斉)

 福田市長は昨年12月3日、中間市内で行われた映画「BAD CITY」の制作発表会見に出席した。隣には、「顔面凶器」「Vシネマの帝王」などの異名を持つ小沢が立っていた。アクション映画の同作は、主演の小沢が制作総指揮、脚本を「OZAWA」の名義で手掛けているが、福田市長とはかつて同じ芸能事務所に所属した仲。福田市長は、当時のことを懐かしそうに話した。

「夏木陽介さん(故人)の事務所に賀来千香子、小沢、僕がいました。小沢はすごくいい人間で、僕は彼のことが大好きなんですよ」

 その関係性もあり、小沢から「中間市でロケをさせてほしい」とオファーがあると、福田市長は全面協力を約束。会見では「連日、撮影をして1つの映画を制作するスタッフやキャストの皆さんの姿は、行政にも活用したいです。そして、多くの市民がエキストラなど、制作協力をして盛り上げております。中間市の魅力もふんだんに詰め込まれております。中間市を全国の人に知ってもらうきっかけになるし、市や市民には1つの作品を作ったという自信にもなります」などと話した。

 オファーが届いたのは、福田市長が昨年6月の選挙で再選されてからで、新たに市を盛り上げる策を検討しているタイミングでもあった。

「市全体を盛り上げるには、4万人がキャラクターになって、一緒に楽しめる場が必要だと思っていたところにこのお話がありました」

 福田市長は、中間市から遠く離れた石川県の出身だ。中間市は縁のない土地だったが、波乱万丈な歩みを経て、17年6月に同市の市長となった。

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