カレー、ラーメン、参鶏湯までも登場 “何でもあり”缶スープ開発、業界大手の狙い

冬到来の寒さの中で、にわかに注目を集めているのが、自動販売機で売られている“缶スープ”だ。だし、カレー、ラーメンなどラインアップが充実化しており、SNS上でも新たな味の“発見”を報告する投稿が相次ぐ。日々開発を進める企業の担当者に聞くと、ブームの背景も見えてきた。

バラエティーに富んだ“缶スープ”が話題を呼んでいる【写真:ENCOUNT編集部】
バラエティーに富んだ“缶スープ”が話題を呼んでいる【写真:ENCOUNT編集部】

“飲む缶カレー”開発ポッカサッポロフード&ビバレッジの情熱

 冬到来の寒さの中で、にわかに注目を集めているのが、自動販売機で売られている“缶スープ”だ。だし、カレー、ラーメンなどラインアップが充実化しており、SNS上でも新たな味の“発見”を報告する投稿が相次ぐ。日々開発を進める企業の担当者に聞くと、ブームの背景も見えてきた。(取材・文=吉原知也)

 自販機などで手軽に買うことのできる缶入りのスープ飲料。コーンポタージュがおなじみと言えるが、近年は“何でもあり”の豊富なテイストが次々と登場している。

 2020年10月に日本コカ・コーラ株式会社からキッコーマン飲料株式会社監修の「GO:GOOD ゴクっ!と旨い和だし」が発売。ダイドードリンコ株式会社は今年9月に新商品として「参鶏湯風スープ」を投入した。公式サイトでは同社調べとして、「業界初のコメ入り缶スープ」と紹介。「RTD(Ready to drink=すぐ飲めるもの)スープ市場の活性化を図ってまいります」としている。さらに、10月には有名ラーメン店「一風堂」が監修した「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」が、JR東日本エリアの駅構内に設置されている自販機「acure」での販売がスタートした。

 SNS上では、缶スープの“新発見”投稿が続々。ツイッターでは「この冬は缶スープが大漁ですね」「そうだ! 今日缶スープの新顔を見た!」「最近の缶スープは旨いのが多いな。実に結構」「電車待ち中の缶スープが美味しい季節になりました」などの書き込みが見受けられる。消費者にとって日常のちょっとした楽しみにもなっているようだ。

 中でも注目を集める一つが、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社が8月に発売した「カレーな気分中辛170gリシール缶」。10種類のスパイスが溶け込む“飲む缶カレー”だ。

 国民的人気メニューであるカレーを取り上げた開発経緯を同社に聞くと、「レトルトカレーをストローでそのまま飲むという方の話をテレビで見たことに着想を得たことが開発のきっかけです」と明かしてくれた。

次のページへ (2/3) 食シーンの広がりの背景で「手軽に簡単に食事を取りたいニーズも高まっている」
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