中止&終了「カワサキ ハロウィン」 主催者が明かす“コロナの影響じゃない”本当の理由

今年8月、ホームページ(HP)上で今年度の開催中止と終了を発表した「カワサキ ハロウィン」。日本最大級のハロウィーンイベントの突然の発表に、多くの惜しみの声が上がった。一方で、同HPでは「主催者がそろそろ止め時との判断をしたのは、実は、日本がコロナ禍に見舞われる直前の昨年2月頃の事」とコロナ禍の影響ではないことを強調。なぜ24年の歴史に幕を引くことになったのか、「カワサキ ハロウィン」の生みの親で、長らく運営責任者を務めた「チッタ エンタテイメント」の土岐一利広報宣伝室長に、“カワハロ”の歴史と終幕の顛末を聞いた。

長らく運営責任者を務めた「チッタ エンタテイメント」の土岐一利広報宣伝室長【写真:ENCOUNT編集部】
長らく運営責任者を務めた「チッタ エンタテイメント」の土岐一利広報宣伝室長【写真:ENCOUNT編集部】

今年度の開催中止と終了を発表も、コロナ禍の影響ではないことを強調

 今年8月、ホームページ(HP)上で今年度の開催中止と終了を発表した「カワサキ ハロウィン」。日本最大級のハロウィーンイベントの突然の発表に、多くの惜しみの声が上がった。一方で、同HPでは「主催者がそろそろ止め時との判断をしたのは、実は、日本がコロナ禍に見舞われる直前の昨年2月頃の事」とコロナ禍の影響ではないことを強調。なぜ24年の歴史に幕を引くことになったのか、「カワサキ ハロウィン」の生みの親で、長らく運営責任者を務めた「チッタ エンタテイメント」の土岐一利広報宣伝室長に、“カワハロ”の歴史と終幕の顛末を聞いた。

「カワサキ ハロウィン」の幕開けは1997年。JR川崎駅前の映画館「チネチッタ」の開業10周年記念企画を一任された土岐氏は、当時日本ではまだ馴染みのなかったハロウィーンに目をつけた。

「映画館って、実は意外と繁忙期と閑散期がはっきりしてるんです。夏休みやゴールデンウィークといった長期休みには大作が続々と封切りになる一方、秋は話題作が少ない。当時は映画館の『チネチッタ』とライブハウス『クラブチッタ』を運営してて、お化けの仮装ってホラー映画ともクラブパーティーとも相性抜群。そんな感じで、ハロウィーンに合わせて何かやろうと企画が走り出したんです」

 当初はクラブでの仮装パーティーとファミリー向けの仮装フリマといった無難な企画を予定していたが、直前になってイギリスのレイヴパーティーやドイツのラブ・パレードといったクラブイベントの要素を取り入れる提案が浮上。開催まで2か月を切るなか、行政や警察に何度も掛け合い、爆音でクラブミュージックを流しながら公道を練り歩くダンスパレードを実現させた。

「ハロウィーンをやりたかったわけではなく、誰もやったことがないことをやりたかった。商店街も警察も最初は取り付く島もなくて、『DJってなんだ?』『ダンスってどんなダンスだ』と聞かれて、警察署の署内で踊ってみせたくらい(笑)。それまで地元で築いた人脈や信頼関係をフル活用して、いろんなところに頭を下げて許可を取って根回しして、何とか開催にこぎつけたけど、1年目は全然人が集まらなくて、社員は強制参加、劇団員も仕込んでようやく恰好がついたような感じだった」

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