検温を“思い出体験”に変える新サービスが登場 エンタメ業界を思う開発者の狙いとは

「検温をエンタメに」。株式会社HYTEKが開発したオリジナルコンテンツ「Thermo Selfie(サーモセルフィー)」には、そんな思いが込められている。コロナ禍でさまざまな体験の前に必ずクリアしなければならない検温。一方で、カメラの前で立ち止まり、体温を確認する作業にわずらわしさを感じている人もいるのではないだろうか。そんな検温を“作業”から“体験”に変えようとして開発されたサーモセルフィーは、検温と同時に撮影した写真をフォトカードにするサービスだ。あらゆるエンタメシーンでの導入を目指す開発者の満永隆哉さんに話を聞いた。

サーモセルフィーの実機と、開発者の満永隆哉さん(左・HYTEK)、吉澤康隆さん(右・博報堂アイ・スタジオ)【写真:安藤かなみ】
サーモセルフィーの実機と、開発者の満永隆哉さん(左・HYTEK)、吉澤康隆さん(右・博報堂アイ・スタジオ)【写真:安藤かなみ】

検温体験がそのまま思い出になるサービス「サーモセルフィー」

「検温をエンタメに」。株式会社HYTEKが開発したオリジナルコンテンツ「Thermo Selfie(サーモセルフィー)」には、そんな思いが込められている。コロナ禍でさまざまな体験の前に必ずクリアしなければならない検温。一方で、カメラの前で立ち止まり、体温を確認する作業にわずらわしさを感じている人もいるのではないだろうか。そんな検温を作業から体験に変えようとして開発されたサーモセルフィーは、検温と同時に撮影した写真をフォトカードにするサービスだ。あらゆるエンタメシーンでの導入を目指す開発者の満永隆哉さんに話を聞いた。(取材・文=安藤かなみ)

 コロナ禍で開催されるイベント・展示会やレストランなどの店舗では、感染症対策の一環で来場者の検温を行うことが定着化している。どうしても事務的な作業になりがちな検温を、“来場者が笑顔で入場できる新たな検温体験”に昇華させることを目指し、制作パートナーの博報堂アイ・スタジオとともに開発されたのがこの「Thermo Selfie(サーモセルフィー)」だ。

 検温とともに撮影を行い、写真をフォトカードとしてその場で印刷。カードを思い出として持ち帰ることや、入場可能であることを証明する顔写真つきの入場パスとして利用できる。カードのデザインは表裏ともにカスタマイズすることが可能で、例えば「カード裏面にクーポンを印刷してランダム配布する」「スポーツの対戦チームごとにカードの色を変える」……などアイデア次第でさまざまな用途に生かすことができる。現段階では、フェスや遊園地、美術館、スポーツ観戦などの場での導入を目指しているという。

 パフォーマーとして活動した実績もあるという開発者の満永さんは、「自分が携わったイベントだけでもいくつも中止になっています。イベント業界も元気がなく、実施したとしてもネガティブな意見が出てくることもありました。何かもっとポジティブに現場を盛り上げることができないかと考えていました」と開発のきっかけを明かす。「どこかで使っていただけるハッピーな装置になるかなと思って、公開しました」

次のページへ (2/3) イベントの主催者やスポーツチームからの問い合わせもあり、これからの展開も期待されている
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