東京・上野大歓楽街は大混雑、都の「徹底点検」はザル状態? 宣言解除初週末を歩く

新型コロナウイルス対策で19都道府県に発令されていた緊急事態宣言と、8県へのまん延防止等重点措置がほぼ半年ぶりに全面解除された。解除後、初の週末を迎えた東京・上野の大歓楽街は大勢の若者でごった返しており、コロナパンデミックはどこ吹く風といった混雑状態だ。東京では「飲食店等感染防止徹底点検済」の認証を都から受けた飲食店で酒類の提供が公的に可能となったが、「点検済」のステッカーが店舗入り口に張られた店でも客席が密集状態になっていたり、午後9時を過ぎても客が乾杯を繰り返したりする光景が見られた。「点検済」の認証はザル状態というのが実情だ。

宣言解除後、初の週末となった上野の大歓楽街は若者でごった返した【写真:ENCOUNT 編集部】
宣言解除後、初の週末となった上野の大歓楽街は若者でごった返した【写真:ENCOUNT 編集部】

飲食店で目に付く「感染防止徹底宣言」と書かれた虹ステッカー

 新型コロナウイルス対策で19都道府県に発令されていた緊急事態宣言と、8県へのまん延防止等重点措置がほぼ半年ぶりに全面解除された。解除後、初の週末を迎えた東京・上野の大歓楽街は大勢の若者でごった返しており、コロナパンデミックはどこ吹く風といった混雑状態だ。東京では「飲食店等感染防止徹底点検済」の認証を都から受けた飲食店で酒類の提供が公的に可能となったが、「点検済」のステッカーが店舗入り口に張られた店でも客席が密集状態になっていたり、午後9時を過ぎても客が乾杯を繰り返したりする光景が見られた。「点検済」の認証はザル状態というのが実情だ。

 JR上野駅から南に入った上野駅前一番街商店会。多くの飲食店が営業中で店内をのぞくと大勢の客でにぎわいどこも盛り上がっている。人気居酒屋がズラリと並ぶ京浜東北線と山手線のガード下周辺には大勢の若者が流れ込み、肩がぶつかりそうなほどの密集状態だ。多くの通行人はマスクを顎にずらしたり、まったく着用しないまま友人と大声で談笑しながらすぐ脇を次々と通り過ぎていく。

 この界隈の飲食店で目に付くのが白地に虹のデザインが入ったステッカーだ。「感染防止徹底宣言」のステッカーは感染防止対策を実施中であることを示しているが、あくまでも店側の自己申告。同様のデザインに王冠が入っているステッカーは、店長やマネジャーなどの責任者を「コロナ対策リーダー」に選任し、都からe-ラーニング研修(動画・確認テスト)を受講し修了したことを示している。

「徹底点検済」の虹ステッカーは有名無実化

 客にとってこの2種類以上に重要な張り紙は「飲食店等感染防止徹底点検済」と書かれた虹のステッカーだ。東京都防災ホームページによると、都の点検員が直接来店して手指消毒、食事中以外のマスク着用の周知、最低1メートル以上の間隔確保、換気、コロナ対策リーダー選定など20のチェックポイントを調べ、問題がなければ午後8時まで酒類の提供、同9時までの営業を認可する、という仕組みだ。このステッカーはいわば都の“お墨付き”を示す証しなのだ。

 ところが、「徹底点検済」のステッカーが張られていても安心できるとは限らない。生ビールが人気のパブでは店頭に「徹底点検済」と「マスク会食」を呼びかけるステッカーが張られていたが、約30人ほどの客はほとんどマスクを着用しないで談笑を続けている。赤ちゃんを抱いた家族連れのグループもマスクをしていない。ただ、店内は広く客席との間隔は一定程度保たれていた。

次のページへ (2/3) 大衆居酒屋は客でぎゅうぎゅう詰め。午後9時以降も乾杯
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