ハライチ岩井、自著を相方・澤部に渡さないワケ「高評価をいただいてもうれしくない」

お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気が27日、都内で著書「どうやら僕の日常生活はまちがっている」(新潮社刊)の取材会に出席した。前作のデビューエッセー「僕の人生には事件が起きない」(同上)が10万部を突破。その実績を引っ提げての第2弾となる。

取材会に出席した「ハライチ」の岩井勇気【写真:ENCOUNT編集部】
取材会に出席した「ハライチ」の岩井勇気【写真:ENCOUNT編集部】

売上目標は「50万部」

 お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気が27日、都内で著書「どうやら僕の日常生活はまちがっている」(新潮社刊)の取材会に出席した。前作のデビューエッセー「僕の人生には事件が起きない」(同上)が10万部を突破。その実績を引っ提げての第2弾となる。

「1冊目は素振りというか。2本目が本試合」と両作の間にある執筆力の成長の度合いを的確に説明しつつも、「素振りで10万部いっちゃったのかと思うところがあります」と、謙遜と自信の入り交じった口調で笑わせた。

 今作の売り上げ目標に関しては「10万部じゃ実入りが少なかったので」と前置きし、「50万部なら2年間いける(=暮らせる)と計算できる。100万部行くとこっちもひいちゃうので」と、欲張り過ぎずに設定した。

 今作では、喉に刺さった魚の骨にもん絶したり、スピーチを頼まれた同級生の結婚披露宴をすっぽかすなど、岩井自身の身に起きる“日常的事件”をエッセー23本に濃縮。初の小説も書き下ろしとして収録している。

 小説執筆にあたっては、先輩芸人で芥川賞受賞作家でもある「ピース」又吉直樹とのやり取りもトリガーになったという。

「『小説書けって言われるやろ、出版社ってそういうこと言ってくるねん』と言われました」というやり取りから「『(小説は)2冊目を書いてから』と言われたので、2冊目の最後に小説を書いたのは、(又吉の発言を)参考にした部分があります」と、舞台裏を伝えた。

 さらに小説とエッセーの違いについて「又吉さんに『労力的には同じやけど、小説家の方が手厚く扱われる』」と、出版業界で一目置かれるためのアドバイスを受けたことを吐露。「これで(自分が)手厚く扱われたら、出版業界どうなんだと思う」と、業界に起こりうる変化の可能性に対し、笑いを込めてくぎを刺した。

 相方の澤部佑には「(1冊目も)渡してないですね」。その理由を「澤部は(ネタを)制作する人間じゃないので、高評価をいただいてもうれしくない。逆に澤部に刺さっちゃったんだ(とがっかりする)」と、読んでほしくない理由を伝えた。

 相方には手渡さないが、女性タレント2人にだけは、今作を献本したという。

「島崎和歌子さんと磯野貴理子さんです。収録で一緒になったとき、島崎さんには『岩井君のエッセー、面白い』と言われ、磯野さんにも『あれ、面白いわ』と言われました」と絶賛されたことを喜び、「この作品を、島崎和歌子さんと磯野貴理子さんに捧げるエッセーにしたい!」ときっぱりと宣言。「(一般の)皆さんも、2人になったつもりで読んでください」と呼びかけた。

次のページへ (2/2) 【写真】第2弾エッセーを手に笑顔を見せるハライチ岩井の姿
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