解説の魔裟斗も絶叫! 物議を醸した青木真也戦の勝者・自演乙が引退直前に10年前の真相を激白

来る9月23日、大阪府泉大津市・テクスピア大阪での「DEEP☆KICK」で1人のファイターが引退する。かつてはコスプレファイターとしてK-1の中量級「K-1 MAX」でも活躍した、長島☆自演乙☆雄一郎である。長島は1年半前には大阪の平野区に「02GYM(オツジム)」を開設。現在はジムの運営を行っているが、元々は日本拳法をバックボーンに、プロデビューからわずか2年でK-1の日本王者に上り詰め、その後はプロレスラーとしても活躍した。さらにRIZINには2015年の旗揚げ戦にも出場と幅広い現役生活を送ったことになる。そこで今回は長島に現役生活をざっくりと振り返ってもらった。

コスプレファイターとして活躍していた当時の長島☆自演乙☆雄一郎【写真提供:長島☆自演乙☆雄一郎】
コスプレファイターとして活躍していた当時の長島☆自演乙☆雄一郎【写真提供:長島☆自演乙☆雄一郎】

9月23日に引退試合を開催 後楽園ホールに50本の長ネギが舞った一戦も

 来る9月23日、大阪府泉大津市・テクスピア大阪での「DEEP☆KICK」で1人のファイターが引退する。かつてはコスプレファイターとしてK-1の中量級「K-1 MAX」でも活躍した、長島☆自演乙☆雄一郎である。長島は1年半前には大阪の平野区に「02GYM(オツジム)」を開設。現在はジムの運営を行っているが、元々は日本拳法をバックボーンに、プロデビューからわずか2年でK-1の日本王者に上り詰め、その後はプロレスラーとしても活躍した。さらにRIZINには2015年の旗揚げ戦にも出場と幅広い現役生活を送ったことになる。そこで今回は長島に現役生活をざっくりと振り返ってもらった。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 まず最初に説明しておくと、長島のリングネームにある「自演乙」とは、「自作自演お疲れ様」を指すネット上のスラング用語になる。そこにアニメのコスプレも加わったが、このキャラ設定こそ、長島による自己プロデュースだった。

「デビュー当時に自分のキャラクターを考えたんです。ケンカしているわけでも不良でもギャル男でもない。何をやろうと考えたときにアニメが好きなことに気づいたけど、それをどうアピろうかと」

 そこでアニメのキャラのコスプレをして入場しようと決めた。それがコスプレーヤーの始まりになった。言ってしまえば、長島なりに時代の空気を読んだ上でたどり着いたキャラ設定だった。

 記録によれば、長島の正式なプロデビューは07年4月。そこから長島は「自演乙」を名乗り、無敗のまま、2年でK-1MAXのリングに登場する。その間に行われた、NJKFスーパーウェルター級王座決定戦(08年11月9日、後楽園ホール)では初音ミクのコスプレをして両手にネギを持ってのネギ踊りを披露した。

「そのときはネギを50本くらい配って。だから後楽園ホールに長ネギが舞うっていうのが事件になって『痛いニュース』に載って。あのサイトは1億PVとかあるじゃないですか。それでバーンと日本中に名前が売れたというのがありましたね」

 これを機に長島のコスプレは、大会における大きな見せ場の一つとなり、以降、格闘技とアニメの架け橋の役割を果たしていくことになるが、例えば14年10月には「進撃の巨人」に登場する超大型巨人のコスプレで後楽園ホールのリングに登場。「進撃の巨人」好きが関係者に伝わったのか、実写版の映画には駐屯兵団の役で出演したりもしている。

 また、長島がK-1に初参戦するのと時を同じくして、それまでK-1の中量級を支えていた大黒柱の魔裟斗が、09年の大みそかに引退。世間は魔裟斗に変わる新しいスターを欲していた。そこに長島が現れたことになる。

「意識はしてなかったッスね。もちろん、最初はK-1 MAXの日本トーナメントに参加しているレギュラーメンバーと五分でやれるかの不安はあったんですけど、HAYATOさんに勝って、五分でやれる自信がついた感じですね」

 結果的に長島は、魔裟斗が引退する直前には一緒に練習をする機会を得ることに成功。魔裟斗引退の翌10年には日本王者に成り上がった。

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