木村健悟氏、整形指令受けていた レスラー人生の岐路を告白「悩んだよ、そりゃあ」
元・新日本プロレス「イナズマ戦士」で現在は、東京・品川区議会議員の木村健悟氏が9月4日、68歳の誕生日を迎えた。
「整形しろ」の極秘指令に木村氏は…
元・新日本プロレス「イナズマ戦士」で現在は、東京・品川区議会議員の木村健悟氏が9月4日、68歳の誕生日を迎えた。
現役時代は藤波辰爾のライバルとして名をはせ、今でも異例なワンマッチ興行を、1987年1月14日、東京・後楽園ホールで実現させている。藤波とは名コンビでもありIWGPタッグ王座などを保持した。
2003年4月、西村修との一戦を最後に現役引退。スカウト部長、テレビ解説者などを務め、06年3月、新日本プロレスを退社している。
11年4月、品川区議会議員選挙に初当選。3期目を務める今も地道な街頭演説を続け、支持者のみならずプロレスファンにも声をかけられている。「イナヅマ!」と声援を飛ばされることが何度もあるという。やはり「ワールド・プロレスリング」(新日本プロレス中継番組)が、ゴールデンタイムで放送されていた時期に活躍していたことは大きい。
「引退してずいぶんたつのに、今でも『昔、よく見ていました』とか『藤波さんとの試合、良かったです』とか言ってもらえるのって、すごくうれしいよね。一番の財産だよ」と、笑顔で細い目をますます細めるが、実は1978年に凱旋帰国時した時には苦渋の決断があった。
ジュニアヘビー級戦士としてメキシコ遠征し、NWA世界ライトヘビー級王座を奪取するなど大活躍。意気揚々と帰国するのだが、その直前“過激な仕掛け人”新間寿氏から「整形しろ」と極秘指令が届いた。一足早く、凱旋していた藤波が、そのスマートさ、格好良さからそれまで、あまり見かけなかった女性ファンを会場に呼び込んでいた。新間氏は「藤波&木村」の若い2人の相乗効果で、さらなる女性ファンの獲得をもくろんだのだ。「目を二重にしてパッチリさせろ」という。
「悩んだよ、そりゃあ。やはり人気が出た方がいいし。う~ん。でも、やっぱり整形はねぇ。男だし…」。練習や試合でダメージを受け、崩れてしまう心配もある。キッパリ断わり「顔じゃなくて試合内容で頑張ります」と答えたそうだ。
新間氏は「せっかく勧めたのに、あいつ整形を断ったんだよ~。でも間寛平にソックリだろ。全くさ」と振り返る。
だが、その後の「稲妻レッグラリアート」を始めとする大暴れも、意地であれだけ頑張れたのではないか。それに、整形していたら、美声も相まってムード歌謡の歌手になっていたかも知れない。
そして、もしかしたら区議にもなっていなかったも知れない。いずれにせよ、彼の人生の岐路が「整形」だったことは間違いない。