「カミソリシューター」山崎一夫氏の指導を受けた「大日本プロレスの宝」野村卓矢の野望
大日本プロレス7・23後楽園大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座に挑戦する野村卓矢が、新日本プロレス出身でUWFでも活躍した山崎一夫氏の指導を受けた。
野村卓矢が「今度こそ必ずベルトを巻きたい」と決意新た
大日本プロレス7・23後楽園大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座に挑戦する野村卓矢が、新日本プロレス出身でUWFでも活躍した山崎一夫氏の指導を受けた。
元々、殺気あふれるストロングスタイルのプロレスに興味を持っていた野村。特にコロナ禍の昨年からは猪木を始め、昭和の新日本プロレスやUWFの試合映像を何度も見て研究している。「趣味はプロレス鑑賞です。温故知新というか、名勝負は何度見ても感動するし新しい発見もあるし、勉強になります」と熱い。マネをするのではなく、いいところは積極的に取り入れて参考にしたいという。
キックボクシングの経験もある野村は、山崎氏の蹴りに興味津々。いろいろな蹴りがあるが、山崎氏の蹴りは切れ味鋭い。「蹴られてどこか切れたかと思うような鋭いキック」だと、対戦経験のある選手は口々に証言するほどで、山崎氏はまさに「カミソシューター」なのだ。
横浜市都筑区にある大日本道場を訪れた山崎氏は、優しい言葉ながらも厳しく指導。時折見せる、現役さながらの鋭い眼光にピリピリした緊張感が漂っていた。「教えるのは久しぶり」というが、蹴りのほか、関節技も理論立てて解説。「ここに神経が集中しているからここを押えて」「上に引いた方が決まる」など、自らお手本を示し懇切丁寧に教える。さすがは山崎バランス治療院の院長。人体を知り尽くしたからこそ分かる的確な教え方だ。
また、若手の佐藤孝亮を相手に練習する野村に「今度はかけられてみて」と一言。「かけるだけではなく、かけられてその痛みを実感しろ、逃げ方も分かるハズ」ということだ。こういう指導方法もあるのだと認識を新たにした。ジャーマンスープレックスも、ブリッジさせてみて、その入り方から細かくチェック。とにかく分かりやすかった。
「教育の原点は1対1。大勢を教えるよりもずっと身に付く。いろいろ思い出して自分も楽しかった」と笑顔の山崎氏。「いいところは伸ばし、苦手を克服するのが大事」と練習の後も言葉で補足。体で覚えさせ、耳からも聞かせる。素晴らしい指導者ぶりを発揮していた。
たっぷり汗を流した野村は「身が引き締まります。今回がストロングヘビー級ベルトには4度目の挑戦。今度こそ必ずベルトを巻きたい」と決意を新たにし、「これからも山崎さんに師事したい」と継続指導を願っていた。