終活の柱は「婚活」…スピード離婚した61歳リポーターの決意「このままではいかん」

かつてワイドショーやグルメ番組のリポーターとして、最近は講演活動などで活躍している菊田あや子さん(61)が、終活のすすめともいえる「エンジョイ! 終活」(幻冬舎メディアコンサルティング、税込み880円)を出版した。母親を看取った経験から、終活を「最期の時を迎えるまで、どのように過ごしていきたいかを考えること」と捉え、その意義、楽しむノウハウを伝えている。「終活スペシャリスト」としての活動にも張り切る菊田さんに本書に込めた思いを聞いた。

インタビューに応じた菊田あや子さん【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた菊田あや子さん【写真:ENCOUNT編集部】

菊田あや子さんが「エンジョイ! 終活」を出版…母親を看取った体験から考えた終活

 かつてワイドショーやグルメ番組のリポーターとして、最近は講演活動などで活躍している菊田あや子さん(61)が、終活のすすめともいえる「エンジョイ! 終活」(幻冬舎メディアコンサルティング、税込み880円)を出版した。母親を看取った経験から、終活を「最期の時を迎えるまで、どのように過ごしていきたいかを考えること」と捉え、その意義、楽しむノウハウを伝えている。「終活スペシャリスト」としての活動にも張り切る菊田さんに本書に込めた思いを聞いた。(取材・文=倉野武)

 2020年1月に山口県下関市の実家で94歳の母親を看取った菊田さん。母親は夫を亡くした後、長年の一人暮らしで認知症が始まり、86歳のときから介護施設暮らしに。最後の1か月は自宅看護で過ごしたが、この8年余りの間、菊田さんは毎月のように東京と地元を行き来して、お互いに「好き好き」と言い合う母親の介護に尽くした。そして、施設選びや医療、葬儀、納骨のこと、また、母が会いたい人に会ったり、したいことをしたりと、悔いを残さず日々を送れるよう、菊田さんは母親の終活を行い、その意味を肌で理解したという。

「母を看取って東京に戻ったのが2020年の2月、ちょうど新型コロナで自粛生活がはじまり、仕事も全部止まりました。母のことを一生懸命やってやり終えた感と、大事な人を失ったショックのなか、60歳、1人だし、どう生きていくかと考えた時、ふっと終活のことが浮かんだんです。母は力を振り絞って、ギリギリまで生きた。母が見せてくれたように、私も生き切ってやるぞと。そのために自分の終活を考えたり、講演などのために勉強してみたいと思いました」

 一般社団法人終活協議会が主宰する「終活ガイド検定」の初級から2級、上級まで取得。エンディングノート認定講師の資格も取り、さらに請われて終活協議会の理事にも就任するなど、「終活スペシャリスト」として終活を発信する役割を担うことになった。

「これはいいこと、みんなに必要だろうと思うことは伝えたくなる性格。世の中のみんなが当たり前に終活しているというふうになるのが目標です」と意気込む菊田さん。その活動の一環として6月に出版した本書では、母親の介護経験から終活の考え方、楽しむためのポイント、アドバイスなどをまとめている。

 実際には、終活に対し「死の準備」とネガティブなイメージを持つ人が多く、本書でも「終活を知っているし、必要性を感じる」という人が7割以上いるにもかかわらず、実際の終活経験者は1割程度という調査結果も紹介されている。

 菊田さんは「終活というと、みんな『死ぬ支度か。自分にはまだ関係ない』と思ったりするけど、それだけじゃない。最期まで充実した生活を送るための『生き支度』でもあって、エンジョイできるもの。要は考え方。私もそう思ったらものすごく元気になったんです」と終活の魅力を語る。

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