「GLEATしようぜ!」目指すは2021年の流行語 チケット1枚で2度おいしい新団体が発進【連載vol.48】
通常のプロレスルールで争う「Gプロレスリング」とUWFルールを改良した「リデットUWF」両部門を持つ新団体「GLEAT」が7月1日、東京ドームシティホールで本旗揚げ戦に臨んだ。
エル・リンダマンが絶叫「GLEATしようぜ!」
通常のプロレスルールで争う「Gプロレスリング」とUWFルールを改良した「リデットUWF」両部門を持つ新団体「GLEAT」が7月1日、東京ドームシティホールで本旗揚げ戦に臨んだ。
「GLEAT」は「GREAT(すごい)」に親会社・LIDETの「L」を掛け合わせた造語で、試合終了後のリングでエル・リンダマンが「GLEATしようぜ!」と熱く繰り返した。これから、マット界のみならず世間にも「GLEAT」をアピールしていくようだ。
前半4試合はGプロ部門。トリを飾ったのは大日本プロレスから金銭トレードで移籍してきた河上隆一と#STRONGHEARTSの若大将T‐Hawkが、現時点でのGプロの頂点を決する1戦。チョップ合戦、エルボーの打ち合いを始め、力のこもった攻防から、ハリケーンドライバー(うつ伏せに担ぎ上げ、回転させながら、垂直にたたき落す)でトドメを刺した。
両者が死力を尽くす大熱戦を制した河上は「とりあえず若大将はつぶした。次は大将、CIMA、カズ・ハヤシ、田中稔? 一気に俺がGLEATのテッペンをさらってやる」と豪語。すべてを捨てて加わったGLEATへの意気込みを改めて強調した。
後半4試合「LIDET UWF」部門のメインイベントでは、新日本プロレスのSHOをGLEATのオリジナルメンバー、伊藤貴則が迎え撃った。
この日、採用されたUWFルール2021は、3カウントフォールによる決着はなく、持ち点5から5ロストポイント制。ダウンとロープエスケープでロストポイント1点で、1980年代後半から90年代初めにかけて一世を風びした、かつてのUWFを知る者にとっては、うれしいルールとなった。
スクリーンに双方の持ち点が映し出され、点数が減っていく。SHOが腕十字固め、アームロック、ロープエスケープを奪いポイントを先取。打撃で猛反撃した伊藤は、逆方エビ固めでエスケープポイントを獲得。なおも三角固めにつかまったままジャーマンスープレックスで放り投げるなど、SHOを2度、ダウンさせた。
キック、スープレックス、サブミッションの応酬で、30年前のUWFファン、そしてGLEATファンの拍手の渦を呼びこんだ白熱の攻防。コロナ禍で歓声を禁止されている現在だが、30年前のUWFの会場も固唾(かたず)を飲んだファンが、無言でリングを凝視していた。
まるでタイムスリップしたかのような感覚に陥る中、SHOが三角絞めで絞め上げると、和田良覚レフェリーがストップ。16分17秒で決着となった。