大島優子は“影のMVP” 瀬々監督がワンシーン、2時間撮影での名演を激賞
女優の大島優子が12日、東京・池袋HUMAXシネマズで、映画「明日の食卓」公開記念トークイベントに登壇した。瀬々敬久監督も出席した。
瀬々監督が“質問攻め” 映画「明日の食卓」トークイベント
女優の大島優子が12日、東京・池袋HUMAXシネマズで、映画「明日の食卓」公開記念トークイベントに登壇した。瀬々敬久監督も出席した。
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本作は椰月美智子の同名小説を原作に、社会派エンターテインメントの旗手・瀬々監督が子を持つ親なら誰もが直面する問題を描く。菅野美穂、高畑充希、尾野真千子が境遇の異なる母親役を演じているが、大島は物語の鍵となる謎の女性・耀子を演じた。
瀬々監督は「大島優子さんが素晴らしいとの反響があった」と話すと、うれしそうな顔の大島。「ここに来る前に有楽町(の映画館)でこっそり見ていました。お客さん入っていました」と笑み。
そのうえで、「初号で見た時、私は結婚もしていないし、子どももいないので、母親って、どんなだったっけと思った。鬼のような時、仏のような時があって、表情だけで親の心情を察知していた。親と子は鏡みたいだなと思った。三者三様に子どもに向かっている時の母親像が違って、自分の親も、こうだったんだと思い返した。自分は父子家庭で育ったけれども、母親は何かを信じたいという思いが強いのかな」と話した。
それからは瀬々監督がまるで芸能記者のように質問攻め。「子役から活躍しているけど、ウィキペディアにはお母さんの勧めがあった、と書いてあったけど」と水を向けると、「習い事をしていなかったので、(母が)『やってみる』と持ちかけてくれた。今になって思うと、(母の)夢だったかも。将来、女優になるとは思っていなかった。その時は大人に囲まれて、『かわいい、かわいい』と言われるのがうれしかった」と明かした。
瀬々監督はさらに「AKB48に入った時はどうだったの?」と質問すると、「高2の進路相談が始まった時でした。子役としては“鳴かず飛ばず”だったので、別の道を考えていて、これがラストチャンスだと思っていたが、あれよあれよという感じだった」と振り返った。
さらに質問が続くと、大島は「アイドルは天職だと思っている。女優業はずっと続けられるほどのエネルギーを持つのは難しい」と告白。司会者が監督の話を遮る形で、ようやく本作の話題に。ワンシーンだけの出演だったが、「流れがない中、唐突に出るのは怖かった。1週間くらい前から役のバックボーンを考えていたが、(撮影は)2時間で終わった」と話した。
一方の瀬々監督は「素晴らしかった。凝縮した時間で出す。断片で勝負する怖い仕事ですが、果敢に挑戦してくれた。隠れたMVPだった」と賛辞を送ると、「すごくうれしいです。監督が公開前日に『あっぱれ』とおっしゃってくれ、胸をなでおろすことができた」と笑みを浮かべた。
未発表ながら、次回作への出演も決まっているそうで、「(本作とは違って)今度は明るい大島優子さんが見える」と瀬々監督。最後に、大島は「2回見て、目線が変わった。いろんな見方があって面白い。誰かしらの当事者になれる。これが劇場で見られる体験かもと思いました。何回でも見ていただけたらと思いました。誰かに寄り添う気持ちを感じ取って、持って帰ってもられたら」と映画館でのリピート鑑賞を呼びかけた。