「男性は育児の権利を侵害されている」 男性産休法、専門家が指摘する今後の課題

子どもの誕生直後に父親が最大4週間の「産休」を取れる制度などを盛り込んだ改正育児・介護休業法が3日、衆議院本会議で成立した。父親には子どもが生まれてから8週間以内に、最大4週間分の「男性版産休」を取ることができる制度で、来年秋からの施行が想定される。

歓迎の一方で「亭主元気で留守がいい」の声も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
歓迎の一方で「亭主元気で留守がいい」の声も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

父親が最大4週間の「産休」を取れる制度が来年の秋からの施行

 子どもの誕生直後に父親が最大4週間の「産休」を取れる制度などを盛り込んだ改正育児・介護休業法が3日、衆議院本会議で成立した。父親には子どもが生まれてから8週間以内に、最大4週間分の「男性版産休」を取ることができる制度で、来年秋からの施行が想定される。

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 父親がより積極的に子育てに参加できる画期的な制度に「安心して出産できる」(世田谷区30代女性)、「育休と合わせて夫婦で交互に取得したい」(杉並区30代男性)と歓迎の声が挙がる一方で、一部では「夫には仕事に行っててほしい」との“本音”の声も。

 大田区に住む40代の女性は「リモートワークで夫が四六時中家にいて、かといって家事や育児に協力的なわけでもない。子どもと夫2人分の世話をするくらいなら、正直仕事に行ってくれてた方が楽」と話す。ネット上でも「これ、世の中の奥さん達は望んでるの? 何もできない旦那に産休とられるくらいなら、少しでも残業代稼いできてくださいって思う」と率直な意見が散見される。

 株式会社ベビーカレンダーが2020年に3239人のママ・プレママを対象に行ったアンケート調査では、約8割が男性の育休取得に賛成も、実際にパートナーに取得してほしいと答えた人の割合は約6割に留まった。理由としては「収入が減ることが心配」「育休を取得できるような会社ではなかったから」「父親が自分で何をすべきか考えて自主的に行動できる人でないと、母親の負担が増えるだけだから」などの声が挙がる。

 また、東京都の小池百合子知事は4日の定例会見で、テレワークが日本で浸透しない背景として「諸外国では夜8時に帰ってこないお父さんは離婚と言われる。これってすごく日本的、日本の働き方の象徴だと思ってます」などと発言。これにもネットを中心に「日本には昔から『亭主元気で留守がいい』という言葉がある」「日本は8時帰宅で離婚する夫婦が増えそう」などの声が挙がった。日本人男性の働き方をめぐる議論は、まだまだ必要なようだ。

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