覚醒した万能アイドル STU48兵頭葵、5歳から続ける楽器に見いだす自分だけのカラー
瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・兵頭葵は、秘めたる能力を徐々に発揮し、存在感を高めているメンバーの1人だ。公演でさまざまなポジションをこなすユーティリティー性は、初代キャプテンでAKB48兼任の岡田奈々をして「公演職人」と言わしめるほど。唯一無二の存在を目指す彼女のアイドル人生を追った。
【インタビュー前編】兵頭の万能性をAKB48/STU48の岡田奈々も「公演職人」と称賛
瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・兵頭葵は、秘めたる能力を徐々に発揮し、存在感を高めているメンバーの1人だ。公演でさまざまなポジションをこなすユーティリティー性は、初代キャプテンでAKB48兼任の岡田奈々をして「公演職人」と言わしめるほど。唯一無二の存在を目指す彼女のアイドル人生を追った。(取材・文=小田智史)
愛媛県で生まれ育った兵頭が、アイドルになるきっかけとなったのは、母親の知人からかけられた一言だった。
「葵ちゃん、STU48のオーディションを受けてみたら?」
2016年10月、国内6番目のAKB48姉妹グループとしてSTU48の発足が発表され、17年1月に1期生募集がスタート。兵頭はそれまでほとんど縁のなかったアイドルの世界に、一歩を踏み出した。
「お母さんの知り合いの方が、(AKB48グループ総合プロデューサーの)秋元康先生のファンだったんです。私はそれまでオーディションを受けたことは1回もなくて、当時は好きなアイドル、アーティストもいませんでした。STU48のオーディションの話を聞いてから、AKB48グループ、坂道グループに興味を持ち始めて。欅坂46さん(現・櫻坂46)を好きになって、平手友梨奈さん、長濱ねるさんをよく見ていました」
高校生だった17年3月、自身初オーディションで見事に合格。晴れてSTU48の1期生メンバーになった。
小学生のころに少年少女合唱団に所属し、器械体操で培った運動神経の良さも備える兵頭だが、加入当初は思うように活躍の場をつかめたわけではない。STU48初のオリジナル曲「瀬戸内の声」、メジャーデビューシングル「暗闇」、2ndシングル「風を待つ」と選抜入りはかなわなかった。それでも、決してあきらめることなく、STU48船上劇場の初公演「GO!GO! little SEABIRDS!!」公演(19年4月~12月開催)の初日メンバーを勝ち取る。それは、静かに努力を重ねてきたたまものだった。
「STU48に入った当初から、ダンスの先生には『体幹はしっかりしている』と言われていたんですけど、自分ではできている感覚はなくて。みちゅ(2代目キャプテンの今村美月)とか(石田)千穂ちゃんの踊り方が好きで、上手いメンバーの真似をしていたら、だんだん上達していきました。(ダンスの)立ち位置とか歌割は、全部メモ帳に書きます。書いて、動画を20回くらい見れば半日で覚えられるので、(本番)前日の夜に言われても大丈夫です(笑)」