小池都知事の“キャンプ自粛要請”に困惑の声 「路上飲みと一緒はあんまり」

小池百合子都知事がゴールデンウイーク中の屋外レジャーに自粛を求めたことに、アウトドア業界から困惑の声が上がっている。

定例会見に出席した東京都の小池百合子知事【写真:ENCOUNT編集部】
定例会見に出席した東京都の小池百合子知事【写真:ENCOUNT編集部】

会見で繁華街での路上飲みと一緒くたに屋外レジャーをやり玉に挙げた

 小池百合子都知事がゴールデンウイーク中の屋外レジャーに自粛を求めたことに、アウトドア業界から困惑の声が上がっている。

 小池都知事は28日、都庁で行われた会見であらためてGW中のステイホームを呼びかけた。飲食店での酒類提供自粛を受け、繁華街を中心に路上飲みが増えていることに触れ「路上飲みは絶対にやめていただきたい。河原でのバーベキュー、キャンプなどの屋外レジャー、ホームパーティー、飲食店へのお酒の持ち込みも一緒。屋外でも感染リスクがある。警察と都が連携して声掛けを強化していく」とこの時期がかきいれどきのアウトドアレジャーを一緒くたにやり玉に挙げた。

 これに戸惑うのが、大型連休開始を目前に控えたキャンプ場だ。神奈川県のあるキャンプ場の管理人は「言いたいことは分かりますが、なぜ(大型連休が)明日に迫ったこのタイミングで言うのか。うちはファミリーが数組ですが、もう予約をいただいています。せめてもう少し前もって言ってくれれば、休業の判断やお客さんへの説明もできたのに」と頭を悩ませる。

 新型コロナウイルス流行後、キャンプサイト同士は10数メートル離し、入場の際に全員の検温、トイレなど共用部でのマスク着用、さらには炊事場の水道も団体ごとに専用の蛇口を決めるなど、感染対策を徹底しているといい、「近年のキャンプブームでお客さんは増えていますが、ほとんどは家族連れの方。おひとりでいらっしゃる“ソロキャンパー”の方もいます。冬期休業のキャンプ場では年間売り上げの3~4割をGWが占めるのに、休業補償もないまま繁華街の路上飲みと同じ扱いはあんまりです」と路上飲みの“とばっちり”に嘆きの声を上げる。

 また、すでに緊急事態宣言中の休業を決めた別のキャンプ場からは「知事の言葉を大義名分にして、営業を決めたところへの嫌がらせが起きないといいですが……。発言の影響をもう少し考えてほしかった」との声も。3密を避けられるとの名目で需要が高まっていた屋外レジャーだけに、各方面への影響は大きそうだ。

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